国税の感覚とは違う
申告業務をする際は、税務署で働いていた際の経験に基づいて、どうするか判断するようにしているのですが、
「地方税の申告業務と国税の申告業務は結構違うんだなぁ。」
と感じています。
今回びっくりしたのが訂正申告に対する市区町村の対応です。
税務署で働いていた頃に、電子申告の受け付ける側の業務をしていたことがあるのですが、当時は電子申告がまだそこまで普及していませんでした。
なので、申告する側も不安だったのか、同じ申告内容で複数回の申告を受けることがありました。
(システム上で、受信した日時がわかるので、この送信者の方、かなりテンパったなとかわかります。1分置きくらいに提出されていたりしたので。)
紙の申告書の場合は、取り下げ書といって、前回提出分の申告書を取り下げる旨が書かれた書面とその申告書の控えを提出してもらっていたのですが(理由は知らないのですが、おそらく、融資のためなど嘘の内容で申告して、その後に実際の金額で申告をするといった行為を防ぐためと思われます)、電子申告の場合は、特に連絡をすることもなく、後日付の申告書を有効な申告書としていました。
当初、提出した申告データに誤りがあり、訂正したいのですがどうすればいいですか。| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス) (nta.go.jp)
地方税の場合は、後日付のものを自動的に有効なものとして取扱うルールとはなっていないようです。
「申告の不受理」という通知が来ます
先日、地方税の訂正申告(税額に変更はなく、別表等の追加のみ)をしたところ、各地方自治体から電話がかかってきています。
「同じ内容の申告書が提出されているのですが、後日付のものを有効な申告書として取り扱って良いでしょうか?」
という確認の電話です。
一応は別表等が追加されているので、「同じ内容の申告書」ではないと思っているのですが、そんな細かなことは置いておいて、
「訂正申告なので、後日付のものを有効なものとして取り扱ってください。」
と回答すると、eLTAXを通して、「申告書の不受理」というメッセージが届きました。
内容としては、
「同様の申告書が提出されましたので、〇月〇日分の申告書を有効なものとします。」
といったことが書かれています。
この通知は定型のメッセージではないようで、担当者の方のメッセージがちゃんと書かれており、丁寧な担当者の方の場合は、なぜ、不受理扱いとする必要があるのかの説明も記載してくださっていました。
eLTAXって便利なような不便なような
所得金額や税額に変動がない場合は、訂正申告でなく、追加資料の提出という方法があり、本件はおそらくそちらで対応していればよかったのだと思われます。
(実際、とある市の担当者の方に「別表を追加するので訂正申告しました」とお伝えしたところ、「ちっ、、」といったリアクションをされましたので。)
ただ、このやり方だと、複数の地方自治体に申告する場面(たとえば30自治体など)には、適していない作りとなっています。
申告済みのデータを一つ一つ開いて、追加する別表を選んで、署名して、送信して、といった一連の流れを30回することとなります。
進捗管理ができませんし、同じことを30回もしていると、人間どこかで間違いを起こします(欄ズレとか)。
なので、申告書の新規作成(過去のデータを使って)で対応したんですよね。
統一されている書式は定型のフォーマットに入力すれば、一気に更新されてくれれば便利なのになと思っているのですが、残念ながら、そうはなっていません。
この場合でも30回同じことをすることとなるのですが、提出前に申告データをチェックをすることができますし、署名と送信は一気に行うことができますので、追加資料の提出のやり方に比べると、まだましかなと思っています。
新しいものは積極的に取り入れていこうというスタンスですが、滞りなく、スムーズに進めるのは、なかなか難しいですね。
日々精進。