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国税審判官(特定任期付職員)と公認会計士

お仕事のはなし

国税不服審判所から「国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ」が公表されていました。

国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ

税理士出身者のうち2名が「公認会計士としての経歴もあり」とあり、公認会計士出身者が税理士として独立する前(税理士事務所などでの修業期間)だと、クライアントがいるということもなく、応募しやすい環境にあるのでしょうか?、公認会計士の税理士業務への関心が高まっているんだなぁと感じました。

監査法人に在籍したことがある方であれば、肌感覚としてご理解いただけると思うのですが、公認会計士は税理士業務をメインでやっている同業をどこか見下す傾向にあるように思います(「あぁ、税務ね」みたいな)。

会社が存続し成長していくためには、会社の財務状況を適時かつ正確に把握する必要があると考えておりまして、そのためには会計が必要なことは理解できるのですが、会計以外にも法務・税務など(もちろんそれ以外にもたくさん)、会社が存続し成長していくにあたって大切なことはたくさんあると個人的には考えておりまして、それらをクライアントに提供しているのであれば、見下すような業務ではないと思っています(そもそも、見下すという行為がどうなのかということもありますが。)。

国税不服審判官に公認会計士出身者が増えているということは、公認会計士にも税務の重要性が理解されつつあるという風にも感じ取られますので、そういった意味では歓迎すべき事象なのかもしれません。しかし、税理士出身者枠が公認会計士出身者によって減ってしまう(純粋な税理士出身者が国税不服審判官として採用されるチャンスが減る)ということは本当にいいのか?という思いもあります。

このメッセージのなかに「同じ分野の専門家ならば、簡単なコミュニケーションで理解が得られることも、専門分野や立場が異なる人の間では、思考過程や価値観が異なり、コミュニケーションを尽くさなければ、相互理解に至らないことや議論が噛み合わないことを改めて認識しました。」とありました。

バックグラウンドが違えば、同じ取引であっても見方が全く異なり、意見が一致しないことがよくあります。

公認会計士は経済的実質を重視して、法人単位ではなく連結グループ全体として取引をとらえる傾向にありますし、また、文理解釈ではなく、趣旨解釈により判断をしようとするように思います。これは会計基準がそのようなスタンスであるためだと思うのですが、このような視点も税務の判断をする際に用いるべき場面があるため、そのような思考過程や価値観をシェアすることを目的として公認会計士出身者という枠があるのではないかと思っています。

税理士は経済的実質を理解しつつも、税法の解釈は文理解釈によることが原則であることを理解しておりますし、連結グループ全体として取引をとらえるといったことはしません。この点においては、国税職員と同じ思考過程や価値観を持っているということになると思いますが、国税職員にはない要素として、納税者サイドから見た思考過程や価値観(税務を飛び越えて、経営者サイドとしてのものの見方)を理解しているという点があると思っています。

よって、公認会計士出身者と税理士出身者で求められている思考過程や価値観が違うにもかかわらず、公認会計士出身者によって税理士出身者の枠が使われてしまうことにより、税理士出身に期待されている役割が機能する場面が減ってしまうのではないか?と思っています。
(長い期間税理士業務をメインにされている会計士さんであっても、どこか会計士的な発想が残ってしまうように感じています。私は国税職員からスタートしているので、国税職員的な発想が残ってしまっているからか、いまだに会計士の同期と話していると思考過程や価値観の違いを感じることがあります。)。

ちなみに、当然、弁護士出身者も公認会計士や税理士とは違う思考過程や価値観を持っています。よって、この3士業がそれぞれの思考過程や価値観で議論をすると、おそらくカオスな状況になっていると思われます(いずれかの方に柔軟性がないとおそらく意見をまとめることは不可能ではないかと、、)。

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