がっちりマンデー
2023年8月20日放送のがっちりマンデーで、坪月商がものすごいラーメン屋さんが紹介されていました。
坪月商は確かにすごかったのですが、このお店のオーナーさんの本当にすごい点は、プロにしっかりと委託をしている点なように感じました。
立地、デザイン、メニュー考案すべてを委託
どのようにすごいかというと、
立地のリサーチ
店舗デザイン
メニュー
さらには店名まで、すべてその道のプロに委託をされていました。
オーナーさん曰く、
「自分はそんなにすごくないので、プロに任せた方が良い。」
とのことでした。
そして、ただ単に委託するのではなく、たとえばメニュー作りでは、あえてラーメン以外の業界の方に依頼するといった工夫をされたそうです。
(ラーメン業界にいる人だとその業界の常識の範囲で考えてしまうためとのこと。)
委託するのも簡単ではない
番組の最後の方に、極楽とんぼの加藤さんがフォローされていましたが、この方、本当にいろいろと考えて実践している方なように思われました。
テレビのテロップやナレーションだけの情報ですと、その道のプロに全部委託すればうまくいくという誤解を与えかねないですし、このオーナーの方がとてもずぼらな方なように見えてしまうためです。
実際は、全部委託するのは勇気がいりますし、とても難しいのではないかと思っています。
正しい対価を支払うということ
税理士業界の状況で考えてみますと、事業主の方で、税務や経理はその道のプロに任せた方が良いと考えていらっしゃる方もいらっしゃり、その考え自体はとてもありがたいのですが、それと併せて、「お安く、お手頃価格で」というご要望もセットだったりします。
ちっさな事務所ですが、私も自分のお金で事業をやっているので、「お安く、お手頃価格で」と言いたくなる気持ちはとてもわかるのですが、この言葉はキラーワードだと思っています。
私は、この言葉を聞いた瞬間に、お仕事をご一緒するのをためらいます。
(勘違いか何かではない限りはお断りさせていただくこととなります。)
推測に過ぎませんが、かのオーナーさんは、この点はちゃんと対応をされたのではないかと思っています。
ちゃんと、正当な対価を支払うことも大切なことに気づいていないと、
「なんだ、全部委託すればいいんだ。そうだよね。その道のプロだもんね。」
↓
(実際に発注するにあたり)「お安く、お手頃価格でお願いね。」
↓
このキラーワードで、ちゃんと仕事をする方はそもそもお受けしない、運よく受けてくれた方がいたとしても、おそらくモチベーションがとてつもなく低く、クオリティに影響する。
↓
プロに発注することの目的を達成できない。
となるような気がしています。
初めにどれだけ耐えられるか?
何か新しいことを始めるときは、基本的に支出が先行します。
あたりまえですね。
預金残高がどんどん減っていくわけですが、そのような環境にあるので、さきの言葉が出てきてしまうのだと思う訳です。
まして、プロに発注したとしても、その事業が上手くいくかどうかは、はっきりしていない状況ですので、保守的になってしまうのだろうと思う訳です。
この時期に大切なのは、預金残高がどんどん減っていく環境に身を置きながら、どれだけ、ちゃんとしたビジネスができるかなんじゃないかと思っています。
ちゃんとしたビジネスができるというのは、お仕事を発注する際に、正当な対価を支払って、ちゃんとしたお仕事をしてもらうということですね。
自分の金で払う覚悟というのでしょうか。
これは、従業員として他人のお金を使ってビジネスをしていても、経験することが出来ないように思います。
所詮は他人の金なので、真剣みが違いますし、どれだけ安く買いたたくかばかりを意識されている方もいらっしゃるように思います。
(もちろん、予算などの制約がある場面もあると思いますので、そういった方のことを言っているわけではありません。安く買いたたくことに喜びを見出している方について言っています。)
かといって、ちゃんと払いますよと言い過ぎると、中にはハイエナのような変な専門家もいるわけで、お金だけ持っていかれる事態にもなりかねないわけです。
(ハイエナの様な方々は、プロの目から見ると、とてもひどい成果物を残していかれます。どこにでもあるような情報をかき集めただけの成果物ですとか。それなりの対価を請求されるのであれば、ネットにある情報だけじゃだめなのだと思っています。ちゃんとヒアリングなどして、その会社の思いなどをくみ取ってあげて欲しいと思います。テーラーメイドですね。)
個人事務所を本格稼働させてから、従業員として勤めていた頃よりも、かなりシビアに、注意深く人を見る癖がつきました。
それでもやはりお仕事を発注することはとても難しいと感じています。
事業を安定して回している経営者の方ってすごいですね。
日々精進。