税理士としての研修努力義務
税理士として登録していると、年間36時間の研修受講の努力義務が課されています。
昨年から、ちゃんと達成しようと改心しまして、今年も時間を見つけてはちょこちょこと義務達成に向けて、研修を受講しています。
こっちは執筆は考慮してくれない
会計士にも同様に求められておりまして、こちらは努力義務ではなく、ガチなやつです。
3年間で120単位、1年間で最低でも40単位なのですが、こちらは、執筆や自己学習も単位として認定してもらえるので、税理士会のものに比べると達成しやすい仕組みとなっています。
私の場合は、執筆でほぼ達成することができるのですが、税理士会の方は執筆は単位認定の対象ではなく、36時間の研修の受講が必須となります。
インボイスQAに怒っておられた
ということで、36時間を達成すべく、e-Learningを受講しています。
どうせなら、自分の業務に関連するもので、興味がわくものが良いので、経理のデジタル化に関する研修を受講してみました。
てっきり、実例を交えた、テクニック的な話なのかなと思っていたのですが、研修が進むにつれて、方向性が変わって来まして、税務の取扱いがデジタル化を阻害しているという説明になってきました。
実際にそういった側面もあると思いますので、聞いていて不快に感じるわけでもなく、
なるほど~そういったこともあるのか。
と思いつつ見ていたのですが、もはやデジタル化でもなんでもないのですが、インボイス制度についての弊害のお話がありました。
昨年からインボイス制度が始まっており、現在は免税事業者との取引であっても、経過措置として、仮払消費税の80%の控除が認められています。
そして、この割合は年々減少していき、最終的には0%となる予定なのですが、この控除できなかった消費税を、会計上、どのように取り扱うのかが問題となってしまうとのことでした。
費用処理する科目によっては、営業利益にインパクトが生じてしまい、取引内容は変わっていないのに、営業利益が下がってしまう、ひいては、免税事業者が取引相手から排除されてしまうのではないかという懸念があるとのことです。
講師の方は、ASBJにこの懸念事項の連絡を入れており、ASBJから国税庁へ問い合わせをしているものの、音沙汰なしだそうです。
事の発端は、国税庁が公表したインボイスQAの記載だったようなのですが、さすがに、事例で用いられている勘定科目に、ここまでフォーカスされるなんて、担当者の方も思ってみなかったのではないかと思ったりもするわけです。
消費税の一つの改正が、ここまで広範囲に影響するんだなと知ると、
行政する側も大変だなぁ~
なんて思ったわけです。
研修を受講するといろいろと発見があって楽しいですね。
日々精進。
【お仕事のはなし】「税務調査を今一度ちゃんと考えてみる本」(税務経理協会様)