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【独立開業】系統が資産だった人の税理士開業が多いように感じます

お仕事のはなし

系統とは

「けいとう」と読みます。

国税職員の間では「系統」とは、その方が主に担当されてきた税目のことをいいます。

税務大学校での研修が終了する頃くらいに、担当教育官から自身が所属する系統が伝えられます。

「転課」(てんか)といって、系統が変わることもあるにはあるのですが、基本的には、一つの系統で国税職員としての人生を全うすることになります。

ちなみに、村上が国税に在籍していた頃の系統は、法人です。

系統と人口

どんな系統があるかを書き出してみました。
(内部事務一元化前なので、管理運営部門を何というのかわかりません。)

系統 担当税目 略称(隠語?)
法人 法人税・消費税・源泉所得税・間接諸税 さんずい
所得 所得税 ところ
資産 相続税・贈与税と譲渡所得 しさん、または、さん(「にすい」といっている地域もあるかもしれません)
徴収 国税徴収法 ぎょうにん

それぞれの系統の人口は、法人の人が一番多く、ついで、所得の人、資産と徴収はあまり多くない(希少)という感じです(東京局でのイメージ。主観ですので、悪しからず)。

上記は系統についてでして、税目はちょっと違う表現をします。

たとえば

「ほう・しょう・げんの税務調査を経験しました」

と言った場合は、

「法人税・消費税・源泉所得税の税務調査を経験しました」

という意味になります。

てっきり、税理士さんには通じるのだと思って、この話し方をしたことがあるのですが、

「『げん』って何?」

となってしまいました。
(いろいろと気を付けポイントがあり、気を抜いて喋ることができません。当然に通じると思っていたことが、通じないというカルチャーショックを受けてしまうので。)

退官後のフィールド

国税職員の退職後のフィールドと言うと、税理士開業が一般的なイメージだと思っていたのですが、国税の外に出てみると、いろいろな活躍フィールドがあることに気づくことができました。

税理士開業のほか、税理士法人への就職、上場企業等の大規模法人への就職(税務室など)、中小企業への就職(税務担当役員から、課長職などいろいろ)、芸人やライターなどです。

退職後は多くの方が税理士開業を選ばれるのかな、と国税在籍時のイメージでは思っていたのですが、最近は、税理士開業をされない方も増えてきているようです。
(子供も独立して、年金がもらえるようになると、それで安泰なので、開業というリスクを取りたくないということのようです。おそらく。)

系統が法人の人が、一番開業のハードルが低いのですが(メインの業務が中小企業の税務顧問業務であるため、国税での経験と知識が活かしやすい)、税理士登録者数が増加し続けていることと、斜陽産業、オワコンの代表格のような言われようもあってか、独立しても食っていけないとお考えになられるようで、税理士法人や中小企業への就職が多くなってきているように感じています。

系統が資産の方が思ったよりもいる

法人税業務については、いい展望が描かれることがほぼないですが、資産税業務(相続・贈与・事業承継)は、

「今後、伸びていくぞー」

とここ数年言われています。

そのアナウンスの効果からか、資産税業務メインで開業されている方が増えてきたように感じております。

実際に、今年の3月に、開業のご挨拶をさせていただいた際も、

「資産税業務(特に相続税)をやるのか?」

「やるのであれば、協業しましょう」

といったお話を頂く機会がいくつかありましたので、皆さん、資産税にフォーカスされているようです。
(大変申し訳なく思っているのですが、資産税まで手を広げると、カバーしている範囲が広すぎて、専門性を保つことができなくなると考えているので、資産税の対応は現状、考えておりません。すべて、やんわりとお断りをさせていただきました。)

先日、税理士会支部主催の、新入会・転入税理士向けの研修交流会に出席してきたのですが、その場に、私を含めて、国税OBが5人もいました。

新入・転入会員の数は20人弱くらいだったと思いますので、結構な割合です。

そして、そのうち3人が資産の人という。
(残りは法人の人(調査部系)と私(法人のひと)です)

資産の人って、人数が少ないので、レアキャラなイメージを持っておりまして、一つのイベントで資産の系統の国税OBに3人も出会うのって、結構レアなシチュエーションなように思っています。

やはり、資産税に強いと、

「トレンドに乗って、いっちょやってみっか」

と踏み込みやすいのでしょうか。

事務所の場所が東京都内ではない(関東信越税理士会の川口支部(埼玉県川口市と草加市))からだけかもしれませんが。
(系統が法人の人は、みな東京都内で開業?)

独立税理士には業界のトレンドウォッチが重要と言いますので、これからも時間をかけ過ぎない程度に、ウォッチしていこうと思います。

日々精進。


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