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【独立開業】コミュニケーションが重要

お仕事のはなし

「伝わる経理のコミュニケーション術」

会計士の白井敬祐氏が著者の、「伝わる経理のコミュニケーション術」(税務研究会出版局)を読みました。

とある有名な会計士さんのBLOGで紹介されていたので読んでみたのですが、前回の書籍と同様に、とても良い書籍でした。

ご自身の経験に基づく情報や考えであること、かっこいいことだけではなく、失敗したことを具体的に書いて下さっているので、読んでいて、飽きないですし、具体的な場面が想像しやすくて、いい感じです。

何事もコミュニケーション

私は過去に2回転職をしているのですが(国税→監査法人、監査法人→法律事務所)、どこへいっても共通して必要だと感じたのがコミュニケーション能力です。

とくに、税務署にいた頃が、コミュニケーションを意識していたと感じます。

この書籍のなかでも紹介されていますが、何か決裁を受ける際は、根回し(会議前に決裁者を回って、口頭で話を入れておく、上司にたばこ室で情報共有をお願いするなど)をしていました。

やり過ぎるのもどうかと思いますが、税務署という一つの組織の中に、いろいろな立場や税法を取り扱っている方々がいらっしゃるので、自分の部門にとって良いアイデアだから、即、みんな納得して協力してくれるだろう、などと考えていると痛い目に遭います。

書籍を読んでいて、過去に遭遇した具体的な場面をいろいろと思い出しました。

それはうちの仕事だ

私は消費税を担当している部署に所属していた期間があるのですが、その部門のとある調査官が、署の全体に向けて、消費税や印紙の質問があれば、こちらにご相談くださいといった内容の案内メールを送ったことがあります。

趣旨はわかりませんが、おそらく、

「決議の段階などで思わぬ指摘を受けるまえに相談してね。」

「印紙税などとっつきにくい税法は、お気軽に聞いてもらって大丈夫ですよ。」

といったことをアナウンスしたかったのだと思うのですが、このメールを送って、すぐに苦情が来ました。

審理を担当している部門の方からだったのですが、

「それは俺たちの役割だろ。どの立場から署全体にアナウンスしているんですか?」

といった内容だったそうです。
(私宛に連絡がきたわけではないので、正確な表現ではありませんが、こういった感じだったそうです。)

まぁ、確かにこういった案内を送る前に、事前に関連部署に口頭で説明をするなりしてもよかったのではないかとは思いますが、やろうとしたことに関して言うと、審理部署に所属しているからといって消費税や印紙税に詳しいとは必ずしも言えないですし、実際に納税者からの質疑を受けたり、税務調査をしているのは消費税を担当している部門なので、正確性や手っ取り早く疑問点を解決するためには、もってこいの取り組みだったわけです。

これ以外にも、進め方が適切ではなかったことで、理屈は抜きにして、感情が基になって潰された取り組みを何度も見てきましたし、私自身も痛い目に遭いました。

なので、コミュニケーションの大切さが身に染みているわけです。

監査法人のパートナーには通じなかった

監査法人にいた頃に、現場主任といって、主任ではないけれども、現場を取り仕切る役割の仕事をしていた時期があります。

監査計画の立案などをして、担当しているパートナー陣に説明をしたりするのですが、説明のための会議を開催したときに、見事にやられたことがあります。

事前にちょこちょこと情報を入れるなど、公務員スタイルで進めたのですが、組織によって文化が違うようで、会議冒頭から、とあるパートナーから、予定調和ではない、興味半分としか思えないような質問が飛び出し、そこから、パートナー陣で雑談のような状況になってしまいました。

アジェンダを作っていたにもかかわらず、アジェンダの1つ目から抜け出せない状況となりました。

軌道修正を何度か試みたのですが、まったく通じなかったので、途中から、お好きなようにご歓談いただきました。

ちなみに、どうやって乗り切ったかというと、会議の残り5分くらいのタイミングで、かなり端折って、だだだっと説明をして、

「何か質問はありますか?」

と質問をし、NOと明確に言われなかったことを理由にして、議事録上は、しっかりと説明をして、了解を得た(NOとは言われなかった)としました。

これはコミュニケーション術ではないですが、こういったテクニックも持ち合わせていないと、大きな組織でやっていくにあたって、無駄に疲弊をしていくのではないかと思います。

決算早期化もコミュニケーション

とある元監査クライアントから決算を早期化したいと考えているが、なかなかうまくいかないので協力して欲しいと依頼を受けて、少しだけ取り組んだことがあります。

何がボトルネックになっているのだろうかと思い、業務のフローや他部署との連携を聞いてみたところ、業務フローなどに問題があるのではなく、明らかに他部署との連携がうまくいっていないことが原因でした。

「本社の経理部(管理部)がそんなに偉いんかい。」

というのが本社の事業部サイド、もしくは子会社サイドの思いで、本社の経理部(管理部)としては、

「どっちが偉いとかそういったことではなくて協力してください。」

といったことを言っていました。

なので、外部の人間が何かをしたところで、解決するとは到底思えず、案件を辞退させていただきました。

「コミュニケーションを円滑にしましょう。」

なんて提案しても、

「はっ?」

と言われてしまいそうですし。

新しいコミュニケーションスタイルを確立したい

コロナ禍を通じて、コミュニケーションの大切さが再認知されたように感じています。

コロナ禍前とまったく同じに戻るとは思えずでして、うまいコミュニケーション手法を編み出さねばと思っています。

トライ&エラーしか編み出す方法はないので、いろいろと試してみようと思います。

結局、飲みニケーションが一番だったりするんですかね。
(発想が昔から抜け出せていないという。)

日々精進。


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