条文を声に出して読むときは変わった漢字の読み方をします
「者」という漢字が税法で使用されていた場合に、「もの」と読まれる方と、「しゃ」と読まれる方がいらっしゃいます。
一般的には前者の読み方だと思いますが、税務大学校の講義では後者の読み方が一般的です。
なぜこのような読み方をするのかというと、「もの」と読むと、「者」なのか「物」なのか「もの」なのかの判別がつかないためです。
法律用語としては、「者」は人のことで、「物」は有体物、「もの」はそれら以外を指し、それぞれ違う意味を持っていますので、これを明確に言い分けるために変わった読み方をしているということです。
ちなみに「者」は「しゃ」、「物」は「ぶつ」と読みます。
これ以外にも、「掲げる」を「けいげる」であったり、「定める」を「ていめる」と読んだりします。
法律の名称も変わっています
「法人税法施行令」は「ほうじんぜいほうせこうれい」と読みます。
変わった読み方をご存じない方に向かって「施行令(せこうれい)」で定められていますと言って、「えっ、、、」というリアクションをされたこともあります。
少し変わり種として、国税職員は「当該職員」といった風に「当該○○」が結構好きなように思います。
条文などで既に出てきた事象を再度指す場合に、「当該○○」というので、それを日常会話でも、あえて使う感じです。
「者」を「しゃ」と読まれる方にお会いするとなぜか安らぎます
税制改正の解説の講演などで、登壇者の方が「者」を「しゃ」と読むと、「おっ!!」となります。
出席した講演の登壇者の方がこの読み方をされていて、懐かしかったので、実務にはまったく役に立ちませんが、書いてみました。
ちなみに、国税職員として実際にこれを意識して業務を行う場面は、財務省主税局に行って法案の読み合わせに使用するなど限られた場面なのではないかと個人的には思っています。
税大の講義で、教授陣がこの読み方をするので、当時は研修生として面白がって使っていたのですが、そのまま、習慣として身についてしまいました。
日々精進