よい税理士の見つけ方という情報
税理士に関する情報を興味半分でネットで調べてみることがあるのですが、
「今の税理士が節税の提案をしてくれないから代えたい」
「いい税理士を見つけるためには、節税の提案をしてくれるかを聞くこと」
といった情報を結構目にします。
それを受けてか、「節税の提案」という言葉をよく聞く
何かを探したり行う際は、まずはネットで情報を調べてみるというのが、一般的だと思うのですが、先の情報に触れたからか、「節税の提案」ができる税理士を探している方が結構いらっしゃるように感じています。
税金について無関心であることに比べたら、ご自身が払っている税金を意識されているので、とてもいいことだと思っています。
ただ、「節税の方法って本当にあるのかな?」という疑問をもっています。
もちろん、法律で「非課税ですよ」とされている制度を活用することは節税だと思うのですが、法人税や消費税、所得税の関連で、この節税なるものって、ほぼ、まったく思いつかないんですよね。
なので、仮に、こういった税金を意識されている方からご相談を受けたとして、
「私の場合で何か節税はありませんか?」
なんて聞かれたところで、
「ごめんなさい、まったく思いつかないです。」
という回答になってしまうように思います。
(念のためですが、インターネット上に落ちている節税と言われているようなものについては当然承知しています。)
30万円を非課税で会社から個人口座に移す、、、
興味半分、勉強の目的(納税者の視点を知るという意味で)で、「節税提案」という検索ワードで検索してみたら、おもしろい節税提案が出てきました。
ちょっとぼかして書かれていましたが(ツリっぽかったので、詳細は読んでいません)、
「月額30万円を非課税で会社から個人の口座にお金を移す節税があります!!」
みたいなことが書かれていたんですよね。
おそらく、出張手当として30万円を支給して、所得税はかからず(給与所得に該当しない)、法人税法上も損金算入できるということなのではないかと思います。
それが認められるかどうかは、ご自身の常識の範囲でお考え下さいということでいいのですが、このような情報を書いて、得られるものって何なんだろうか?という疑問があります。
純粋にそれが認められると思って書いている人は、おそらく1割もいないと思われますので、ツリなんだと思いますが、こんな情報につられてくる納税者の方のハンドリングってめちゃくちゃ大変なんじゃなかろうかと思うわけです。
しかも、こういった納税者の方の所得金額って、往々にして半端だったりするので、何かしらのことをやったところで、せいぜい10万円行くか行かないかくらいの税額の減少なんじゃなかろうか、なんて思ってしまうんですよね。
税額で10万円を大きいと考えるかどうかについては、税額としては人それぞれだと思うのですが、その他の要素(たとえば、保険金などとして支払ったお金を一定期間自由に使えなくなることや、ちょっとひねった不動産投資などをして、不動産の価値下落のリスクや諸費用などなど)を考慮すると、
「えい、めんどくせいやい。払っちまえ。」
という判断の方が、シンプルで、結果として得をするような気がするんですよね。
(そういったことに費やす時間を、他のことに使った方が、余裕で、年間10万円以上の価値をもたらすとも思います。)
かといって、じゃあ、突き抜けた所得の人達の申告書を見ると、ばっちり節税して税金ががっつり減っている状態になっているかというと、そうでもなく、思っている以上にシンプルだったりもしますので、いよいよ、「節税とは何ぞや?」となるわけです。
悶々と考えてみてのとりあえずの結論
税務調査は任意調査なので拒否できるですとか、謎な情報を書かれている方々のウェブサイトを放浪してみて(なぜか、節税の提案でヒットしました。)、そして、歩きながら考えてみて気づいたのですが、きっと、「節税」という言葉の意味をダイレクトに求めようとしているので、
「『節税』っていったい何?」
となってしまっているのではないかと思いました。
ということで、言い換えを使って解明を試みたところ、
「税理士じゃない人の『節税』は『儲かること』と同義なんじゃなかろうか。」
という、とりあえずの結論にいたりました。
(納税者の方は節税=儲かることと思っているが、税理士からみると、まったく儲かっていない(たとえば税金の減少額しか考慮されていないものや、課税の繰り延べなど)ので、話が噛み合わないということです。ツリとして使っている人はこのミスマッチを意図的に利用しているということになるんですかね。)
「楽して儲かる」「絶対儲かる」みたいな情報って結構世にあふれている印象で、「本当に儲かるのなら、人に情報を与えるのではなく、自分でやって儲かるはずだ」みたいな攻防がありますが、あれと同じだなと思ったということです。
節税を提案してくれる良い税理士を探す方法に関する情報をいろいろと読んでいたところ、
「その税理士自身がやっている節税を聞くことだ。」
という情報もあったのですが、これも、先のとりあえずの結論とマッチしますね。
ただ、残念なことに、この質問は、何かしらのことをしている税理士は良い税理士と判定される可能性があるのですが、考えた末に、何もやっていない税理士は、良い税理士と判定される可能性はないということになります。
何も考えずに何もやっていないは確かにNGだとは思いますが、考えた末に、何もやっていない税理士でもいい税理士はいると思うんですがね。
いちいち反応してはいけないということなんでしょうね、きっと。
あと、数年もすれば、慣れて来て、またか、、くらいになってくるのでしょうか。
いちいち反応してはいけないということなのだろうとは思っており、ここで、このようなことを書いたところで、せいぜい自分自身への備忘録くらいにしかならないのですが、せっかく悶々と考えたので、少し書いてみました。
税金は自分の得意分野なので、正しくジャッジできますが、そうではない分野について意思決定をするときは、私もネットの情報に頼ったりしていますので、どこかで変な意思決定をしてしまっているのかもしれないな、なんて、少し不安になってしまいました。
日々精進。