公用文の書き方
公務員は通達の文書を発遣する際には、「公用文の書き方」に沿った書き方となっている必要があります。
内閣官房長官通知「「公用文作成の考え方」の周知について」 | 文化庁 (bunka.go.jp)
税務署で働いているくらいですと、あまり意識することはないのですが、税務署の上級官庁である、国税局や国税庁で働いていると、そのなかでも特に、文書を発遣する部署にいると、とても重要なルールであると教わったことがあります。
税法通達が良いお手本
どんな文章が出来上がりなのだろうか?と気になる方がいらっしゃれば、税法通達を見ていただくと良いと思います。
税法通達がまさに、公用文の書き方に忠実に沿って書かれている文章だからです。
(きれいですよ。記号を使う順番など細かく決まっています。)
ルールに厳格に沿った文章を書くことで、書き手と読み手が同じ目線で理解できるようにしているということです。
ある意味、特殊記号を使ってやり取りをしていることに近いのかもしれません。
(念のためですが、通達内で暗号を使っているということではないです。日本語をそのまんま読んだ意味なのですが、文章を自由に書けると表現がぶれてしまって、解釈の余地が広がってしまうということです。)
チェックが大変
現在、どのようにしてチェックをしているのかは知らないのですが、私が税務署で働いていた頃は、起案者が「公用文の書き方」通りになっているかを、自身でチェックするのはもちろんのこと、上位者の目視によるチェック(赤ペン・赤鉛筆が入ります)でした。
まぁ、なんというか、正確にやりとりするために大切な工程であることは理解しているのですが、それにしても、時間をかけすぎてやしないかい?という思いが当時ありました。
このBLOGを書いていて、ふと、思い出したのですが、ずいぶん前に、長官か審議官かは忘れましたが、高級官僚だった方が、民間企業のトップになられたときに、ニュースか何かで従業員の方が、
「今回のトップは、内容ではなくて、文章の書き方ばかり指摘してきて困っている。」
といっていたのを覚えています。
(民間企業のトップに求められているのはそこではないでしょ、、という意味ですね。そもそも、文章を読む側も、「公用文の書き方」に沿った読み方をご存じではないと思いますし。)
英語の無料のグラマーチェックツールがあるので
英文の無料のグラマーチェックツールを使っているのですが(Microsoft Wordにも標準搭載されていますね)、ふと、これと同じ要領で、「公用文の書き方」チェックツールが開発できないものかと思いました。
需要は公務員からしかないですが、言語そのもののチェックでなく、「公用文の書き方」というルールに沿っているかのチェックですので、グラマーチェックツールよりも、シンプルな作りで開発出来やしないかと素人発想ですが、思ったということです。
そうすれば、目視でしていたチェックの時間が大幅に削減されて、もっと、他の有用なことに時間を使えるような気がするんですよね。
ただ、役所の人って、新たな仕事を作るのが得意なので、結局、また別の仕事が増えるだけかもしれませんが。
(税務署で働いていた経験側から。)
日々精進。