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自分の命を使うと書いて「使命」

お仕事のはなし

CPE

公認会計士登録をすると、継続的専門研修制度(CPE)といって、毎年一定単位の研修の履修が義務付けられています。

CPE制度(継続的専門研修制度) | 日本公認会計士協会
CPE制度(継続的専門研修制度)について紹介するページです。主に「CPE制度」がどのような制度なのか、近年の改正事項とあわせてを紹介します。

コロナ禍ということもあって、WEBで研修の履行ができるので、いま、いろいろな研修を受けています。

会計や税務の専門的な内容のものについては、もちろん受講する必要があるのですが、それよりも、幸福とは何か?みたいな、ソフトスキルと言われるような内容のものの方が、受講していて楽しいですし、学びが多かったりします。

昨日履修した講義で講師の方が、

「自分の命を使うと書いて、使命です。自分の命を使う訳ですから、大切なことに使いましょう」

とおっしゃっていて、非常に共感できました。

考えることなしに求められることに応えること

国税調査官として、ある程度の年数の経験があると、税務上の取り扱いが明確でないものの頃合い(どこらへんまでがセーフで、どこからがアウトなのか)を、経験に基づく感覚として応えることができるようになります。

昔、国税OBの方とお話をしていて、このグレーゾーンに対するジャッジがクライアントのニーズなので、そこに応えることが必要なのではないか、というアドバイスをいただきました。

この考え自体に異論はないのですが、これを妄信的に信じてクライアントの対応をしていると、税金をごまかすために、このグレーゾーンのところの取り扱いを教えてくれという方に遭遇してしまう可能性が高いように感じるようになりました。

税務をゲーム感覚でとらえている方が一定数いらっしゃるように感じているのですが、このような方々の片棒を担ぐのが私の使命だとしたら、やるせないですし、もちろんそのようなことはやりたくはありません。

もし、税理士として生きていくうえで、これをやることが必須なのであれば、いっそ、税理士免許を返上してしまうのではないかと思います。

そのような方々と接してしまうということは、私が自身のスタンスを明確にしていないという脇の甘さが原因なのではないかと思っており、それもあって、こうやって、定期的に自身のスタンスを示すことにしています。

今の私が考える自分の使命

「「使命」とは、命を使うことに適うことをすること」

と言うと、なんだか大きな話になってしまいますが、仮に、

「得意なことをすること」

と考えていいのであれば、

「税法という、非常に複雑難解なものについて、クライアントの求めに応じて、調べ、ご理解いただけるように、それをかみ砕いて説明すること」

が私の使命なのではないかと最近思うようになりました。

税務職員だった頃、税務署の窓口に質問にいらっしゃった納税者の方が、何回も読んで、下線やマーカーをしている私の図解法人税をご覧になられて(図解を使っているあたりはご容赦ください。)、

「税務署の方も、理解するために、こうやって何回も読まれるんですね」

とおっしゃられたことがありました。

これが私の強みだと思います。

非常に頭の良い人だと、おそらく一読すればパッと理解できるのかもしれませんが、私はそのような人間ではないので、

「税法はよくわからん」

という気持ちがよくわかります。

税務大学校の研修の時に

「「損金不算入」「益金不算入」ってなんだよ、裏の裏は表みたいで紛らわしい。もっと簡単に表現できないのか?」

と思ったのを今でも明確に覚えています。

消費税についても、

「課否判定がわからない」

という気持ちを経験しています。

(上司からは条文にある要件を覚えて、それに基づいて判定するんだよと言われましたが、当時かなり難儀したのを覚えています。)

なので、税法をご説明するときに、ここがひっかかりポイントだなと想像して、砕いた言葉で説明をすることができます。

これに、

「調査官の発想はこういったものなので、この取引については、税務調査の場面ではこのように取り扱われると思います。」

であったり、

「会計士の発想だとこうなります。」

といった風に、これまで経験してきた、さまざまな視点からの取引の見え方や判定の仕方を、合わせてお伝えすることができます。

これが、私が得意とすることですし、やっていて不快に感じることもないので、これが「使命」なのかなと思っています。

税理士会の研修もこういうのがあればいいのに

税理士登録すると、義務ではありませんが、研修の履行が求められています。

会計士協会の履修結果と共有できるものもありますが、基本的には税理士会の方で単位を認定できるとした研修を履行する必要があります。

会計士協会と税理士会のそれぞれの組織の文化の違いなど、いろいろな理由があるのだろうと思いますが、税理士会の研修には、会計士協会のようなソフトスキルものがない(つぶさに見たことはないのですが、税法や民法などの知識を得るための研修が、ほとんどなように感じています)ようです。

税法の専門家ですので、税法のより深い知識を有する必要があることはわかるのですが、税法だけを知っていれば税法のジャッジが適切にできるわけではないと、個人的には思っていますので、たとえば哲学など、もう少し幅広なジャンルの研修の履修を認めてもいいのではないかと思っています。

念のためですが、会計士協会の履修もソフトスキルだけで単位を満たせるということではなく、会計に関するものや、職業倫理、会計監査、税務に関するものなど、最低限履修が求めれれる単位が定められていますので、専門性は担保されています。

日々精進。

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