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理解するまでに時間がかかる人

お仕事のはなし

とあるコンサルタントの方のお話

もともと小学校の教師をされていた、とあるコンサルタントの方が、セミナーで次のような話をされていました。

学校にはいろいろな子供がいて、子供によって理解力はさまざま。
小学校の授業は45分授業だが、授業の時間だけで理解ができる子もいれば、45分授業だけでは足りず、理解までに60分かかってしまう子もいる。

でも、その子のために授業を60分にすることはできない。
そうすると、理解に時間がかかる子は授業についていけなくなり、置いてけぼりにされてしまう。

だから、私は、そのような子ができるまで、放課後の時間であったり、家庭訪問をしたりして、しっかりと付き添ってあげていた。

私は教師としての経験がないので、この対応がプロの教師として正しいのか否かについての判断はつきませんが、心からすごいなと思いました。

この方、曰く、このような対応は普通の教師は行わないので、当時、学校内外から様々な意見を受けたとのことです。

長い目で見ればコツコツやる子の方が伸びる

国税、監査法人、法律事務所といろいろな職場を経験してきました。

それぞれの職場に、要領良く業務をこなしていくタイプの方と、少し要領に難ありだけれども、こつこつ、こつこつと少しずつ、一生懸命に業務に取り組む方の両方がいらっしゃいました。

学校と同じで、後者のこつこつタイプの方は、新人の頃、特にプロフェッショナルファームにおいては、かなり大変な目に遭っているように感じました。

コツコツやっていると、いくら時間があっても、与えられたタスクを終わらせることができないですし、コツコツし始めた段階の成果物は、プロとして求められている成果物のレベルに大きく届いていないため、直上の先輩などから、使えない奴という扱いを受けてしまうためです。

ただ、このコツコツ君、数年間じっと我慢して、がむしゃらにコツコツやり続けた結果、大きく花開くことがあります。

その花の綺麗さは、要領良く業務をこなすタイプが咲かせることのできる花とは、比べ物にならないほど美しいと感じています。

税理士試験にこつこつと取り組む

私は税理士試験の経験がないので、聞いた話にすぎないのですが(会計士の有資格者は届出ることで、税理士登録が可能)、税理士試験で一番初めにチャレンジする、簿記論や財務諸表論をうまく乗り越えないと、ずっとこの科目に苦しめられるということが言われているそうです。
(瞬発性が必要な科目であり、若いうちが有利であるため?といった理由だったように記憶しています)

息抜きとしてたまに、税理士の方のブログを探索しているのですが、18年間を税理士試験に費やした(働きながら試験にチャレンジされていたようです)税理士の方のブログに辿り着きました。

先に書いたような話を聞いていたので、

「簿財で躓いても、コツコツを続けていればいつか合格できるものなんだな」

と思うと同時に、18年間かかったことについて、悪い印象はまったく抱かず、むしろ、

「なんだか安心感があるな」

と感じました。

私は、会計士試験に約3年間コツコツしていましたが、それだけでも発狂しそうになったので、18年間というと、とてつもない、コツコツだなと思います。

会計士試験はどうかというと

会計士全員がそうであるとまでは思わないのですが、試験の仕組みからか、要領良くこなすタイプの方が多い印象があります。
(基本的には全科目一気に合格が求められているため、要領良くできないと合格できないと言われています。)

要領がいいので、仕事をお願いする側(監査法人の主任だったりとしてです)としては、とても助かるのですが、たとえば、将来のことを考えましょうといった内容のセミナーの質問タイムで、手っ取り早く講師から最適解をもらおう、といった趣旨ともとれる質問をされる方(質問からの推測にすぎませんが、要領の良いタイプと思われる)を見ると、

「非常に短期間で、素人に毛が生えたくらいには辿り着くんだろうけれども、きっと、プロにはなれないんだろうな。」

と思います。

資格を持っていることとプロであることはまったく違いますし、悩んで、自分で考えて、いろいろと試して、自分の中で解を見つけた経験のない人は、もろいというか、プロの目で見ると、

「本に書いてあるような表面的な話しかしていないなぁ、大丈夫かなぁ、」

なんて思います。

要領よくこなすことも意識したいけれど、それ以上にコツコツを大切にしたい

時代の流れなのか、手っ取り早く解を見つけて、要領良くこなすべきといった雰囲気がそこら中にあるように感じ、また、それがどんどん増しているように感じています。

どうやって、手っ取り早く解を見つけるのかというと、おそらくほとんどの方がしているのがネットから情報を得ることなのではないかと思いますが、やはり、一次情報にあたることって大切だなと感じています。

というのも、今、税務調査に関する連載を書いているのですが、税務調査をお受けになられる方が、そもそも税務調査のどんなことに疑問を抱き、不安に感じるのかがわからないということもあり、それらを知るための一つの手段として、インターネットを使って、税務調査に関する情報を見てみているのですが、かなりの頻度で、明らかに間違った情報に出会います。

たとえば、国税の税務調査で地方税の調査がされるとか(調査権限がないので、できません)、「更正」が「更生」となっていたりとか(誤記が気になるのではなく、税務調査を生業としている人は絶対に間違えない漢字です)です。
(ちなみに、「こくぜいちょうさかん」を新品のPCで変換すると「国税庁盛ん」になります。)

そして、手っ取り早く解を見つけたい人が、その誤った情報を、さも、正しい情報であるかのように、説明していたりします。

こんなやり方では一生プロになれないと思います。

時間はかかりますが、実際に税務調査をしていた人に話を聞いてみる、顧問先の税務調査に積極的に立ち会ってみるなどして、コツコツと小さな経験を積み重ねていく必要があるのではないかと思っています。

時間は誰にも平等で、時間をどのように、何に使う方は、その人が決めることができ、自分がプロとしてありたいことに、その時間をたくさん費やしているからこそ、プロとしていられるのだと思っています。

その費やされた時間を対価として、得られた経験や、自分なりの結論に、クライアントは価値を見出して下さるのではないでしょうか。

自分自身も最短ルートを探しがちな性格なので、さすがに上記のような素人染みたことはしませんが(公的機関が公表した情報にあたるなどして、情報の信頼性を担保しています)、コツコツと少しずつ積み上げていくことの大切さを意識していないと、つい忘れてしまうような気がしたので、少し書いてみました。

日々精進。

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