コラム

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国税OBの講演を拝聴しての感想

会計のはなし

国税で定年まで勤め上げた後は、そのご経験を活かし、国税OBであることを強みにして税理士としてお仕事をされている方がいらっしゃる。

入局後の税務大学校での研修を経た段階で背番号(担当する税目)が決まり、基本的には退官するまでずっと同じ税目を担当することになるため、担当していた税法についてはとても詳しく、また、過去の取扱い事例について、実体験に基づき話すことができるので、とてもすごいと率直に思っている。

先日、とある著名な国税OBのご講演を拝聴する機会があったのだが、現場実務に詳しく、かつ審理部署もご経験されていた方であったため、税制改正の経緯(半分裏話のようなもの)や有名な税務訴訟の話をしていただき、個人的にはとても有益に感じた。

意外だったのが、他の出席者(税理士)の反応が悪かったことだ。

講演後に出席者に感想を聞いてみたところ
「ぼそぼそとつぶやいている話し方で国税の人っぽかった」
「国税OB様様だね」
と言われてしまっていた。
感想の内容を見るに、講師の講演時の話し方に改善点があったことが伺えるが、それ以上に国税OBは嫌いといったバイアスのようなものを感じた。

クライアントからの相談対応をしていると、国税内部の実務的な取扱いの説明や、国税調査官の見方・考え方に基づくアドバイスをすることで喜ばれることがあるのだが、同業(税理士)に対しても同様であると思っていると、自分が気づかぬところでこんなことを言われてしまう可能性があるんだなと恐ろしく感じた。

試験合格組の税理士(ネットなどでこのような表現がされているので、ここでも同様に表現している。)は、クライアント目線で仕事ができ、決算書や各種申告書の作成実務にとても詳しく、税目も幅広く対応でき、税金以外の話(社会保険や資金調達など)もできて、国税OBにはない強みをたくさんお持ちだと感じている。

お互いに認め合い、お互いの強みを協力して活かすことがクライアントにとって最も良いことだと思うのだが、実際はなかなかそうもいかないようである。

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