難解な税務
難解な税務について、専門家に依頼をしようとしているが、結構な金額の提示を受けており、少し考えているといった、ご相談をお受けすることがたまにあります。
確かに申告書の作成などのプレーンなものに比べると、より専門的な知識が必要となりますし、アドバイスする側も、難解であるがゆえに、間違ったアドバイスをしてしまうなど、それなりのリスクを負うので、一般的な税務顧問の報酬金額の感覚で提示された金額を見てしまうとお高く感じてしまうのだと思います。
金額感については、税理士業務の低価格化が不健全に進み過ぎたという風に思っており、少しずつ変えていく必要があるのではないかと思っているので、特に思いはありません。
ただ、「本当にそれやりますか?」という疑問はよく持ちます。
いかに簡素に対応するか
難解であるがゆえに、専門家に依頼をされているのだと思いますが、私はこの手のご相談を受けると、まず、
「本当にそれやりますか?」
に始まり、次に、
「やるにしても、できる限り簡素にした方が良いですよ。」
と言っています。
アフターフォローも含めて、その専門家が対応してくれるのであれば、ぜひお願いされればいいと思うのですが、だいたいのケースで、そのタイミングでは適切に対応できても、その後の対応ができない(従業員の方などが、専門家と同じレベル感で理解して、回すのは難しいため)ということとなり、その時だけ、素晴らしい対応をとって、その後はほぼほったらかしの状態みたいな状況を何度か見てきたからです。
適切に対応することはもちろん大切だと思うのですが、頃合いがあるような気がしています。
経営者としてはおそらく失格
そんなこんなで、納税者の方が専門家からちょっと尖った提案を受けているのを見たりすると、
「本当にそれやりますか?」
「そこまでやらなくてもいいんじゃないですか?」
なんてことを言ってしまうのですが、経営者としては、
「ぜひやった方がいいですよ。当社ではより良いアドバイスを、お手頃価格でご対応させていただきます。」
という必要があるのだろうなと思っています。
が、とても言えそうに思えません。
車を必要としている方がいたとして、お話をお聞きするに、軽の車でも良さそうなところ、ベンツを進めているように見えてしまうためです。
購入したとき以外にも、メンテナンスのためのコストがかかるわけですよね。
おそらく運転の技術も、軽の車の運転とベンツでは違うのではないかと思います。
なので、
「本当にそれやりますか?」
と、つい言ってしまいます。
同業からしたら、余計なお世話じゃ、と思われるに違いありませんが。
従業員的な発想から経営者の発想に変わらないといけないと思いつつも、なかなかコロッとは変わらないものですね。
日々精進。