事務所の移転手続き
これまでは事務所の所在地が東京でしたので、東京税理士会に所属していました。
3月からは自宅(埼玉)の近くが事務所になりましたので、関東信越税理士会に所属することになります。
事務所の所在地が変わったので、その移転手続きをしているのですが、もっと簡単にできないものかと思っています。
税理士会のHPの作りが迷路みたい
私は公認会計士登録と税理士登録をしているので、まずは会計士登録の変更手続きを行いました。
手続きは非常にシンプルで、公認会計士協会のHPにアクセスして、会員向けのページにログインして、事務所が移転した内容を記載した書面を作成して提出するだけでした。
同じ感覚で税理士会の手続に臨んだのですが、面食らいました。
実際にやった流れ
■まずは「変更登録申請に関する届出書」
インターネットで「税理士 事務所移転」で検索して辿りついたのが、下記です。
事務所の変更手続きを探していたので、変更の手続きの画面をクリックしました。
下記は、事務所移転の申請に必要なものを説明しているページです。
この「詳しくはこちら」というリンクにより、情報がやや散らかり気味になっています。
「変更登録申請に関する届出書」の記載の隣に、「所属支部での収受印を押したもの」という記載がありますので、どうやら、所属支部(麹町支部など)へ届出書を事前に提出して、収受印を押してもらう必要があるようです。
そして、「詳しくはこちら」をクリックした画面が下記です。
なんと、本人が直接行くのか、代理でも郵送でもOKなのかは支部によって取り扱いが異なるそうです。
支部は違えど同じ税理士会なのではないのでしょうか。。
そして、なぜ、郵送ではだめなのでしょうか。
ここでも、親切に支部の連絡先のリンクを貼ってくれています。
「こちら」をクリックすると下記の画面になりました。
各支部がHPを持っているようで、こちらも親切に各支部のHPのリンクを貼ってくれています(いったい何層になっているのでしょうか。)。
ここで、今度は支部のHPに飛んで、郵送でもOKなのかの情報を取りに行くべきか悩んだのですが、さすがに面倒になってきたので、支部に電話をかけて確認をすることにしました。
コロナ禍のご時世に、郵送はNGなんてことはさすがに、まして、東京のど真ん中の麹町支部でそんなことはないだろう、と思ったのですが、確認してくださいとありましたので、念には念を入れて、電話で確認してみました。
あっさりと「郵送でOKである」旨の回答をいただきました。
次に届出書の作成です。
届出書の記載が、かなり読みにくいのですが、ここは普段から、読みにくい税法を読んでいるので、なんとか対応可能かと思いきや、下記の記載が非常に難解でした。
「事務所所在地と住所地が遠隔である理由」を記載する欄があり、「(注)本欄に記入がない場合、税理士会受付後に記入していただく場合があります」とあります。
注書きのインパクトが強く、私の場合、自宅から事務所まで徒歩5分なのですが、何か書かなければいけないのかなと、結構真剣に悩んでしまいました(さすがに、遠隔ではない場合には記入不要と判断できましたので、この欄は記載せずに提出をしました。)。
「(注)事務所所在地と住所地が遠隔である場合は、こちらに記入をしてください」
という記載の方が一般的なように思うのですが、なんで、事務所と自宅は遠隔である前提なのでしょうか。
■麹町支部からの連絡
何とか、届出書の作成が完了して、麹町支部に郵送したところ、数日後に支部のご担当者様からお電話があり、東京税理士会事務局への「変更登録申請書」の提出時期を聞かれました。
届出書が返送されたらすぐに提出する予定であると回答したのですが、ご担当者の方がいまいち要領を得ません。
こちらは質問の趣旨がわからないので、こちらから積極的にご担当者の方が必要としている情報をお伝えすることができず、聞かれたことに聞かれたとおりに回答していたのですが、どうやら税理士会費の返納の手続があるらしく、その関係でのご質問のようでした。
電話越しでも、むすっとしている感じが伝わってきたのですが、質問の趣旨を伝えてくれれば、もっとコミュニケーションがスムーズにいったんじゃないかなと思います。
無事に麹町支部から収受印が押印されたので、次は税理士会事務局への手続となります。
■税理士会事務局への手続
まず驚いたことが、手数料がかかることです。
会計士協会が特殊なのかもしれませんが、手数料はかかりませんでした。
ここはルールなので、従うしかありません。
いちおうは、税理士証票の書き換えなどの工数が生じているようですので、しょうがないかなと思うようにしました。
さらに驚いたことに、郵送で手続きを行う場合は、手数料を振り込みではなく、現金書留で送付となっています。
現金書留って、遠方に住んでいる親戚などにお祝いを贈るときくらいしか利用されていないと勝手に思っていたのですが、意外なところで利用されていました。
振込みでは何か不都合があるのでしょうか。
現金をできるだけ扱う必要のないプロセスにした方が、受け取った方としても、現金を金庫に入れて保管するなどの管理をしなくてよりますし、預け入れの手間も省けて、良いのではないかと思います。
そして、現金書留の欄にも「詳しくはこちら」というリンクを親切に貼ってくれています。
きっと重要な情報があるはずですので、めんどくさがらずにチェックをしてみることにしました。
やはり、ありました。
ここで、唐突に「税理士証票」のコピーを求めています。
「現金書留の送り方なんて知っているよ」という方で、リンクを確認されずに郵送された方、きっと税理士証票のコピーを送らないのではないかと思います。
なんで必要なものの一覧に記載してくれないのでしょうか。疑問です
さて、手続きの流れは把握できたので、書類を作成して、しっかりと漏れなく手続きの準備ができているか確認をしたところ、対応漏れがありました。
「捨印」が必要とのことです。最近見なくなりましたね。
「所定の場所」とありますが、この「所定の場所」を見つけるのが難しいです。
下記が変更登録申請書のデータを開いた画面なのですが、「所定の場所」が見当たりません。
ありました。記入例に。
そして、書面の注書きで書留による郵送を要求しています。
なぜ、手続き一覧の画面には記載してくれないのでしょうか。とても気になります。
ちなみに、結局は税理士証票の受け取りのために、税理士会へ行く必要があるとのことでした。。
■税理士会事務局からの連絡
無事に書類一式を準備して、税理士会事務局へ書留で郵送をしたところ、数日後にお電話をいただきました。
事務所の所在地が東京から埼玉になり、所属する税理士会が東京税理士会から関東信越税理士会に代わるので、提出物が足りないとのことでした。
しっかりと調べて手続きをしたつもりでしたので、ご担当者の方に税理士会のHPのどこに手続きが記載されているのか質問してみたところ、丁寧にご説明いただけました。
どうやら入り口から間違っていたようです。
太字の「変更」しか読まなかったので、「入会・退会」は全く気にしていませんでした。
税理士登録する人向けなのかなと思い。
他の税理士会に代わる場合には、「税理士会員退会届」「税理士会員章」「会員門標」も必要とのことです。
郵送による追送でも良いとのことだったのですが、「会員門標」が少し大きいので簡易書留は難しいように思われましたので、どうやって送ったら良いのか聞いたところ、レターパックで良いとのことでした。
手数料は現金書留での郵送を求めていながら、なぜに会員門標はレターパックでOKなのか、初めからすべての書類を郵送する場合はどうやって「会員門標」を送ればよいのか、謎でした。
気になったので調べてみたところ、どうやら、他会へ転出する場合は、そもそも郵送による手続きはNGだったようです。
もはや、郵送で手続きを頑張る理由がなくなってしまったので、何かのついでで、東京税理士会へ出向いて、手続きをしてこようと思います。
税務署関係の書類
一番初めの仕事が税務署職員だったので、慣れてしまいましたが、開業届出や税務申告って普段税務をされていない方からしたら、この税理士会の手続きと同じように感じておられるのでしょうか。
複雑ですね。もっと簡素にできるのではないかと思います。
注意して作成すれば間違うことではない、一円単位でぴったりと整合する書面を作るのが、税理士の業務なんだからなんてことはない、といったご指摘を受けるような気がするのですが、税務署の手続きもそうですが、年に一回であったりと、たまにしかしない手続きで、しかも、片手間にやらざるを得ない手続き(事務所移転の場合は、事務所の契約関係などの他の手続きの片手間)だと、そこまで集中力と時間を割けないように思います。
単に世の中が便利になりすぎただけなのかもしれませんが、さすがにこの手続きの流れは改善した方がいいのではないかと思った次第です。