いままでこんなに丁寧に説明をしてもらったことがなかった
個人の事務所を本格的に初めてから、いろいろな発見があるのですが、その一つに、
「説明をするだけでも喜んでいただける」
ということがあります。
たとえば、決算書のチェックをしていて、税務上の取扱いの誤りを見つけた場合に、単に修正すべき事項をお伝えするのではなく、国税庁のHPの解説などのリンクを付けて、その判断過程などを書いてご説明を差し上げると、
「いままでこんなに丁寧に説明をしてもらったことがなかった」
という、ありがたいコメントをいただくことがあります。
単に、私がやりすぎなのかもしれませんが、修正事項だけを説明もなく伝えられても、気持ちが悪いんじゃなかろうかと思っての対応です。
これは、私自身がそのやり方をしてもらえないと納得できないタイプだからでして、お医者さんに診てもらった場合など、
「なぜ、そうなった可能性が高いか?」
「そして、どうやったら防げるのか?」
などをいつも聞いてしまいます。
(タイプによるのだと思いますが、ちゃんと説明してくれるお医者さんと、そうでない方の両方がいらっしゃいます。おそらく、こういった質問をする患者はあまりいないと思われ、お医者さんからすると、少しめんどくさいタイプの患者なのかもしれません。)
監査法人や法律事務所にいたので、根拠を示す癖がついた
監査法人や法律事務所に在籍していたのがよかったのかなと思っています。
何がかというと、若手職員の村上が、税務に関する取扱いの説明をしても、根拠がないと、誰も信じてくれないので、根拠を示す必要があったということです。
税務署にいると、みな同じく税務をやっている人達ですので、基本的には根拠を示さずとも、みんな知っていることですので会話が成り立ちます。
そもそも、村上から税務に関する情報を先輩に提供するという状況は皆無で(むしろ教わる側でしたので)、同僚や後輩と説明するときも、根拠を示して説明をすることは、ほぼなかったと思います。
監査部屋に閉じこもっているよりも、デスクまで行って、わいのわいのやっているのが好き
あと、意外だったのですが、監査部屋に籠って仕事をしているよりも、直接経理部の場所へ行って、担当者の方に説明をしたり、議論をしたりしていると、管理者の方から喜ばれます。
一般的な会計士の場合、メールでやりとりをするか、内線で「監査部屋に来てください」とご連絡を差し上げて、お話をするなどしていると思いますが、村上は税務調査のノリで、経理部の場所にずかずかと入っていっていました。
(もちろん、情報管理の観点などからの要請などは意識して、ご迷惑をおかけすることはしないようにしていました。)
このやり方の方が、担当者の方の実際の作業データなどを見ながら話せるなど、お互い効率的だと思っていたので、そうしていました。
あと、このやり方の方が担当者の方も話しやすいようです。
(会社側の担当者としての経験はありませんが、監査部屋で、PCに向かって黙々と作業をしている会計士達に囲まれていると、話しづらいのかな?と思います。)
これもあまり一般的な対応ではないのかもしれませんが、参考となるウェブサイトの情報を共有したり、監査六法(電話帳のような厚さの書籍)を持っていって、根拠となる規定を示したりしながら説明したりしていました。
単にメールの文面やレポートなどの書面で説明をしただけの場合とは、先方の理解が大きく違うように感じているのと、このやり取りの仕方でしっかりとした関係が構築できるように思っているので、意識的にこのようなやり方をしています。
このやり方をすると、往査している時間帯は監査調書の作成など一切進まないので、大変ではあったのですが。
(事務所に戻ってから、ひたすら一人で作業を潰すことになります。懐かしい。)
日々精進。