周旋に関する事例集
日本税理士会連合会が、令和5年4月付けで「周旋に関する事例集~周旋事例と留意点~」を公表しました。
税理士紹介会社などを利用することで生じ得る、思わぬ被害に遭うことのないよう、未然防止の一助になることを目的として公表されているものです。
この資料は、会員(税理士)向けですので、一般向けには公表されていません。
内容としては、独立開業した税理士さん達がBLOGなどで、気を付けた方が良いですよ!!と書いているような事例が主なものでしたが、なかにはそれよりも、もっとひどい事例が紹介されていました。
紹介業者って、成約ベースで紹介料を請求をしてくるのかと思っていたのですが、前金もあるようで、多額の登録料等を支払ったにもかかわらず、1件も紹介がなかった事例や、勝手に事務所が掲載されている事例、年間顧問料の総額が60,000円で、記帳代行・申告・署名等をすべて対応するといった顧問先の紹介や(受ける方もどうかと思いますが、、、)、顧問先紹介料が年間顧問料の70%というものもありました。
すべて実例です。
私もたくさん電話を受けました
税理士登録をした時と、東京税理士会から関東信越税理士会に移った時の2回、集中的にこの手の営業の電話を受けました。
営業なんだなぁ~と、とっても分かり易いものから、とても上手に惹きつけておいて、最後の最後に、料金がかかりますといった説明をし始めるものなど、いろいろとありました。
(こっちから積極的にコスト面を聞いたので、最後に話してくれましたが、聞かないと説明をしないでアポ取りをしようとしてくるのではないかと思います。)
個人の事務所を本格稼働するにあたり、事前に、独立開業されている方のBLOGで情報収集をしていたので、幸いにも、ひっからなかったですが、手元資金もあまりなく、事前に情報を得ることをしていなかった場合を想像すると、とても怖いなと思います。
下手したら、問い合わせを受けたことに舞い上がってしまっていたかもしれません。
勝手に事務所が掲載されている事例
本格稼働後の少し間、監査非常勤をしていました。
その際に、現場主任の方が教えてくれたサービスがありまして、
「知らぬ間に勝手に自分の事務所が登録されている士業の紹介サイトがあって、そこにちゃんと登録すると、意外にも仕事がちゃんともらえるらしいよ。使ってみたらどうですか?」
というアドバイスを受けましたので、素直に従って、登録をしてみたことがあります。
(プロフィール等の登録は無料でした。)
で、どうなったかというと、案件の依頼が来ました。
登録後、すぐに。
で、返信をしたければ、会員になりたまえ、とのことでした。
ちなみに会員になるには会費がかかります。
「おぉ、これは本当にすごいサイトだな。」
と一瞬喜んだのですが、落ち着いて依頼の内容を読んでみたところ、いろいろとおかしな点がありました。
まず、私は会計士・税理士として登録しているにもかかわらず、案件の依頼内容が会社の設立登記など、会計士・税理士業務とは無関係なものであったこと。
そして、おそらく、依頼主の設定は経理部の方のようで、会計や税務業務は自社でやるので、そこは依頼の対象ではないと書かれていました。
おかしいですよね。
経理部の人が、会計士・税理士宛に、税務業務は自社でやるが、設立登記などだけやってくれと依頼するでしょうか。
明らかに、サクラでしたので、うわっ、と思い、そっこーで登録を抹消してもらいました。
恐らくですが、サクラを使って、依頼が来ているように見せかけて、会員登録を促しているのだと思います。
そうしないと、この会社にはお金が入ってくることはないので。
最近の詐欺の話
という話を英語のレッスンでインストラクターの方に話したところ、最近のオレオレ詐欺(カナダバージョン)を教えてくれました。
You Tubeなどの動画から、とある人の声を収集し、声色や話し方などをAIに学習させ、その声を使って、オレオレ詐欺をするといったことが起きているらしいです。
どうやって、この、とある人の親族まで把握しているのかまではわかりませんが、声や話し方が全く同じだと、確かに判別がつきませんよね。
「いきなり連絡をしてきて、お金を要求するなんて、何かおかしいぞ。」
と気づけるか否かにかかっています。
先の紹介会社の事例もしかり、知っていることは、強みだと感じます。
進化しているのは、良いことだけではなく、残念ながら、悪いことも進化してしまっています。
強くならないといけないですね。
日々精進。