ガイアの夜明けを見て
ここ10年間くらい、ほぼテレビを見ていなかった(朝のニュースで天気を見るくらいです。テレビは好きなのですが、なんとなく。)のですが、数日前にTVerで放送済みの番組を見れることを知り、少しはまっています。
見ているのは「ガイアの夜明け」なのですが、いろいろな会社の新しいチャレンジを知ることができるので、見るだけでやる気がみなぎってきて、とてもいい番組だなと思います。
今日見た回がドン・キホーテのチャレンジについてだったのですが、ドン・キホーテが特化型の店舗を始めているらしく、GWに東京駅に行ったときに八重洲地下街(やえちか)にお酒ドンキだったりと、いままで見たことがないドンキがあったので驚いたのを思い出しました。
お台場でZ世代(十代~二十代前半の世代)をターゲットにしたドンキづくりを、若手社員に任せたところ、Z世代ならではの感性で、うまくZ世代を取り込んだお店づくりをしたというシーンを見て、税理士業界について考えてしまいました。
税務の世界
もしかしたら私が疎いだけなのかもしれませんが、税務の世界では、若い人に任せて何か新しいことをしようという風潮はあまりないように思います。
どちらかというと、知識経験ともに豊富な年長者の意見を尊重するような、先のドンキの事例とは逆の向きにあるように感じています。
税務が過去の事例の積み重ねで成り立っているので、そうならざるを得ない側面もあるのかもしれません。
もともと国税にいたためバイアスがかかった考えかもしれませんが、税務の世界で何か新しいことをしてみようとなると、新しいことをして目指すことのほとんどが節税(ほぼ脱税)なように思っていまして、新しい客層やニーズを開拓するといったこととは少し違う響きのものとなってしまうように思います。
少しだけ深く考えてみる
単に私の考えが浅いだけかもしれません。
ドンキの例は小売業という大きな括りで見ると、物を仕入れて売るということに変化はなく、その売り方や売る先を変えている(広げている)ということですので、税理士業という大きな括りで見て、税務サービスを提供するということに変化の必要はなく、その提供の仕方を変えたり、提供先を変える(広げる)ということなのかもしれません。
提供の仕方を変える
提供の仕方を変えるということについて、記帳代行を受けないということが頭に浮かびました。
記帳代行は薄利なので受けないという側面もあるように思いますが、私個人としては、事業を行っている方々にとって、日々の事業の状況を感覚ではなく、数値で把握していただくことが、事業をうまく回すためには良いことだと思っています。
そのためには毎月・半年・年一回で、段ボール箱に資料を入れて会計事務所に送って、税務申告のためだけに決算書を作成するということではなく、会計事務所が記帳するような完璧なものではなくても、日々の売上など事業を行っていくにあたり重要な指標となる数値を適時に把握できる状態になっていただいた方が良いと考えています。
代行するのではなく、そもそも簿記って何のためにやるんだっけ?という根本をご説明してご理解いただき、事業を発展させるためにそれを実行していただくということです。
実行するにあたり、悩んだり、疑問が生じた場面で、税理士として税務サービスを提供するという風に提供の仕方を変えるということを考えました。
実際にこれを実行されている税理士の方もたくさんいらっしゃるように思います。
念のためですが、無申告法人など、会計事務所が完全に代行しないと、にっちもさっちもいかない状況にある会社もたくさんあるということも理解していますので、記帳業務をされている会計事務所さんを悪く言うつもりはまったくありません。
売る先を変える(広げる)
税務の世界で、売る先を変える(広げる)というのは、なかなか難しいように思います。
たとえば相続税の対象となる方の範囲が法改正で広がったりといった風に税制改正で売る先が変わる(広がる)ことはありますが、ここではこのような場面は意識しておらず、税理士側から何か積極的に起こすということを意識しています。
いろいろな経営者や役職者の方と接していく中で、私が税務調査をしていた頃のような、
「現金売上を抜いちゃえ、バレたら、交渉してある程度の税金払いましょ」
といった風な考え方の方が減ってきており、
「守るべきルールはしっかりと守りましょう」
といった考え方の方が増えてきたということを感じています。
そのような方々が、たとえば前者のような雰囲気でこれまでやってきた会社の役職者となった時に、あるべき仕組みづくりのお手伝いなどをすることをふと思いつきました。が、何か浅い考えですよね。
いろいろと考えてみようと思います。
会計士業界のチャレンジ
会計士業界を見ていると、いろいろなことにチャレンジしている印象を受けています。会計士協会の取り組みを見ても、積極的に若手が活躍できる場面を作ろうといろいろな取り組みをされているのが伺えます。
その甲斐があってか、中小企業のCFOとして経営に参画して、企業をぐーんと成長することに貢献したり、会計士自身が起業して会社を上場させたり、プロスポーツ事業を黒字化するための仕組みづくり(プロスポーツは基本的に赤字ですので、会計士の知見を活かして黒字化するための施策をいろいろとしているとのことです)をしたりなど、いろいろな場面で活躍されている会計士がいらっしゃいます。
税理士業界もいろいろな取り組みが同様にできるのではないかと思っています。
私自身も変化を恐れずに新しいことにチャレンジをしていきたいと思います。
日々精進。