蔵書数を勝手に順位付け
これまで、税務署→監査法人→法律事務所といろいろな組織体に勤めてきたのですが、はっきりと色が出るな~と感じたことに図書室の蔵書数があります。
比べたところで有益なことは何もないのですが、ふと思ったので、個人的なイメージを基に蔵書数で多かったであろう順で順位付けしてみましたところ、下記の順番になるように思います(実際に数えた訳ではありません。イメージです。)
1位 法律事務所
2位 税理士法人
3位 監査法人
まずは1位の法律事務所から
法律事務所が取り扱っている業務範囲が広いからか、すごくさまざまなジャンルの書籍が所蔵されていました。
イメージとしては大学の図書館に近い印象です。渉外業務を行っているからか外国の法律に関する書籍などもありました。
意外だったのが、税務と会計に関する書籍も所蔵されていたことでして、税務は法律なのでまだ理解できたのですが、弁護士さんが会計に関してリサーチしている場面が入所当時は思いつきませんでした。
どうやら、組織再編絡みやM&A、各種業法で会計の考え方を取り入れている場合などに使うようです。
法律全般+税法+会計の書籍を所蔵となるので、一番の蔵書数となるのは当然ですね。
独身の頃など時間が有り余っている頃に、この図書室に出会っていたら、ずっと入り浸って、いろんな書籍を読み漁っていたと思います(そうはならなくて良かったような、もったいなかったような。)。
次に2位の税理士法人
税理士法人といっても税務を専門にしている組織体をイメージしていますので、税務大学校や税理士会図書室なども含んでいます。
税理士法人には在籍したことはありませんが、様々な案件対応の際に税理士法人のオフィスに行くことがあったので、その時にちょっと覗いたイメージを基にしています。
税法も法人税、消費税、所得税、相続税などいろいろなジャンルがあるというのと、税法六法や通達だけだと、税務上の取り扱いが「わけわかめん」になることが多いので、それを質疑応答事例形式などで分かりやすく解説してくれている書籍が多くあるため、図書の所蔵数が結構あるなという印象です。
イメージとしては100平米くらいの広さの空間に書棚が何個も並んでいるようなイメージでしょうか。
ちなみに専門家向けの書籍だけが所蔵されていますので、「すぐわかる○○」といった読み物は含まれておりません。
最後に3位の監査法人
図書はあるにはあるのですが、結構寂しい扱いを受けていた印象です。大きめの書棚が数棚あるくらいだったように思います。
都心の大型書店などをイメージすると会計の棚って税法の棚よりも多い印象(たとえばオアゾの丸善書店さん。確か税務関係が片面一面で、会計が二面です。)なのですが、なぜなんでしょうか。
基本的には往査先(クライアントのオフィスの監査部屋)に行っていることが多いので、事務所の図書を使用する人があまりいないということもあるのかもしれませんが、ナレッジを税務とは違ってあまり外に出していないからなようにも思います。
なので、紙媒体は少ないのですが、イントラのTipsなどには、会計基準には明記されていない会計上の論点の解説やファームとしての方針が解説されていたように記憶しています(一度、気合を入れてたくさん読んでみたことがあるのですが、ほぼ丸々内容を忘れてしまいました。)。
個々人の書籍数は別のはなし
念のためですが、上記はあくまで各組織体の図書に対する私の勝手なイメージでして、個々人として所有している書籍数は、当然ですが、その人によりけりだと思います。
監査法人在籍時に、パートナーの席にサインをいただきたい書面を持参していたのですが、とあるパートナーの席が書籍で埋もれていて(言葉での表現が非常に難しいのですが、書籍の蟻地獄みたいでした。書籍が渦を巻いているような。)、その中でパートナーが仮眠中(繁忙期でしたので、おそらく家に帰れずにずっとレビューをされていたのだと思います。)だったこともありますし、私自身も監査法人の事務所には監査六法くらいしか置いておらず、会計に関する書籍はすべて自宅に保管していました。
最近はインターネットの情報が便利になりました
日々転々とする往査先に、会計に関する書籍を持参することは現実的ではないため、たとえばIPO支援業務などで会計基準のご説明をする際などには、参考になりそうな情報をインターネットで探すこととなるのですが、私が会計監査をしていた頃は、会計に関する情報をネットで検索しても、ほとんど情報がない(情報源として信頼にするに足るという意味での情報がです)状況だったので、結構難儀したのを覚えています。
ここ数年はEYなどがわかりやすい解説をしてくれているので、参考に共有することが出来るようになってきたのでとてもありがたいと思っています。
ちなみに税務だとタックスアンサーなどの国税庁が公表している情報が参考情報として使いやすいです。
図書館みたいなオフィスってかっこいいなと思います
本に書いてあることだけで実際の業務がすべてうまくいくとまでは思いませんが、法律や基準の丸写しのような書籍を除いて、書籍をたくさん読むことで実務を疑似体験することができて、実際に業務を行う際の参考にしたりすることができるという点において、書籍はとても有用だと思っています。
説明するときにも書籍を用いると説得力が増しますよね。
将来、大学の図書館みたいな事務所を持ちたいと思っています。
書斎じゃないです。事務所です。
その頃には紙の書籍は一般的ではなくなっているかもしれませんが。
日々精進。