BLOG

更新日:

【独立開業】東京よりも関東信越の方が進んでいるかもしれない

税務調査のはなし

東京国税局と関東信越国税局

税務署の上級官庁として、国税局が設置されています。

東京国税局(以下「東京局」)は東京、神奈川、千葉、山梨を管轄しており、関東信越国税局(以下「関信局」)は、主に北関東を管轄しています。

組織(国税局・税務署・税務大学校等)|国税庁

東京が日本の中で一番進んでいるというのが世間一般のイメージではないかと思うのですが、
「案外、関信の方が進んでいることもあるのではないか」
と思うことがあり、少し書いてみようと思います。

申告書の閲覧

私が東京局の税務署に在籍していた頃の話ですので、もう手続きは変わっているかもしれませんが、例えば、私が麹町税務署に所属していたとして、神田税務署管内の納税者の申告書を確認したいときは、照会文書を持って、実際に税務署へ申告書の閲覧をしに行っていました。

郵送での写しの送付依頼も可能ですが、ほったらかしにされてしまう可能性が結構高いので、実際に閲覧に行くようにしていました。
(法務局や市役所などの他の役所に対しても同じような手続きを踏むので、こういったものなのかなと、特に疑問に思っていませんでした。)

東京都区内であれば移動距離がそこまでないので、まだよいのですが、例えば、埼玉の所沢税務署にある申告書をすぐに見たいといったときは、税務署へ赴き、税務署に着いてから申告書を準備してもらって、閲覧して、必要なところをコピーしてといった風に、もろもろで結構な時間がかかってしまいます。

そんな手続きを東京局で行っていた頃に、関信局ではメールでの申告書の写しの送付を始めていました。
(念のためですがメールと言っても、国税組織内でのみでネットワークが構成されているWANを使った通信です。なので、外部とはつながっていません。)

たまに、関信局の職員から、東京局の職員宛に電話がかかってきて、申告書をメールで送ってくれませんか?という依頼がくるのですが、東京局では、上記の通りのやり方ですので、電話を受けた担当者は、

「メールで送ってくれなんて、非常識な、、」

と少し怒った様子でした。

私も初めてこの依頼を受けた時はびっくりしましたが、

「関信局は進んでいるなぁ~」

とも思っていました。

税理士会も国税局と同じで東京会と関信会があります

税理士登録すると税理士会に所属することとなるのですが、登録地に応じた地方会に所属することとなります。

以前は事務所の登録地が東京都内でしたので、東京税理士会だったのですが、自分ひとりで仕事を始めてからは関東信越税理士会に所属しています。

税理士会に所属していると、研修の案内や会合の案内が結構頻繁に送られてくるのですが、記憶ベースなので少し曖昧なのですが、東京会の時は、郵送もしくはFAXで送られてきていたように思います。少なくともメールで受信していた記憶はありません。

一方、関信会はというと、ほとんどすべてがメールで送られてきているように思います。

春先くらいに、関与先名簿というものを税務署の総務課宛に提出したりするのですが、それも、PCで書き込みができるようになっているデータ版を事前に税理士会の事務局さんが送って下さりました。

私の勝手なイメージでしかありませんが、東京会が過去のやり方を踏襲しているなかで、関信会は積極的に新しいツール(といってもメールですが)を使用しようとしているように感じます。

東京会の所属会員数は関信会の所属会員数に比べるとはるかに多いと思いますので、人数が多いがゆえに、一つ物事を変えるだけでも、それなりの労力がかかるからかもしれません。

関信局の税務調査

話が少し変わりますが、関信局の税務調査ってしっかりしているなという印象を持っています。

税務調査の初日に、納税者の方や顧問税理士と名刺交換をするのですが、その際に調査官は質問検査証と身分証を見せつつ、名刺をお渡します。

税理士も税理士証というものを持っているのですが、名刺を頂く際に、税理士証をチェックするといったことは東京局だと一般的には行っていないのですが、関信局だとそれが普通らしく、チェックしなかったことについて、立ち合いの税理士さんからお叱りを受けたことがあります。

いつも通りにご挨拶をしていたのに、お叱りを受けたので、少しびっくりしましたが、それと同時に、
「やっぱり関信局はしっかりしているなぁ」
と感じたのを今でも覚えています。

手続き面以外でも同様で、国税退職後に税理士になってから、税務調査に関するご相談をお受けする中で税務調査の指摘事項の内容を見る機会があるのですが、関信局の指摘事項について、他局に比べて、理論的にきっかりと指摘をしている印象があります。

学校のクラスに一人くらいはいる真面目な優等生といった感じでしょうか。

最近、東京局以外の国税局に在籍されていた国税OBの方とお話する機会があり、局によって色があるんだなぁと感じましたので、少し書いてみました。

日々精進。


取扱業務

事務所紹介

お問い合わせ

About Us

Information of Japanese taxes


 

タイトルとURLをコピーしました