とある英文メールの書き方に関する書籍
ふと、税務会計に関する英文を読んでみたくなったので、ずいぶん前に購入していた英文メールの書き方に関する書籍を読み返してみました。
だいぶ英語力が上がってきたからか、すすすっと読めたのですが、この書籍、実務でこんな英文は絶対に使えない、というか、使ったら相当揉める、という英文が、そこかしこに散りばめられており、びっくりを通り越して、もう、あまりにおかしくて、読んでいて笑ってしまいました。
書籍については、生み出す苦しみがあって、それにより信頼性が担保されているからこそ価値があるのだと思っているのですが、この書籍については、ちょっと、正直いかがなものかと思ってしまいました。
これについて少し書いてみようと思います。
Amazonレビューを見てみると気づいている人は一定数いた
伝えたいことを伝えるために、どういった書き方をすれば良いのかを突き詰めれば、回りくどい表現を使わずに、直球で、文章を書けばいいのかもしれません。
それでも、限度があるんじゃなかろうかと思います。
立場がどうであれ、攻撃的な、上から目線のメールを送っても、絶対に何もいいことはないと思います。
だいぶ昔ですが、英語には敬語がないと言われていたこともあったので、その考えを引きずっているのかもしれません。
まだ、英語を勉強している身でしかありませんが、英語にも日本語と同じく、相手の気持ちに配慮した表現はたくさんあり、特にビジネスにおいては、その配慮がとても重要だと感じています。
言語は違えど、人と人のコミュニケーションの仕方に本質的な違いはないということですね。
これをちゃんと認識できている人がこの書籍を読めば、そこかしこに、地雷が埋め込まれているので、注意しなければと気づき、実際に使用する際は、かなり慎重になるのだと思います。
(ちなみに、私は本の表紙に「表現が不適切なので注意!!」と大きな字で書きました。ある意味良い思い出になったので、捨てずにとっておこうと思っています。)
ただ、これに気づかない人が、この書籍をそのまま使ってしまうと大惨事になってしまうように思います。
特に、こういった「すぐ使える」「そのまま使える」類の書籍は、その分野を苦手としている方が購入されるように思っており、だからこそ、危ないなと思っています。
地雷がたくさんあることに、気づいている人がいるのかな?と、ふと思い、Amazonのレビューを見てみたところ、同じ認識の方が一定数いらっしゃいました。
その一方で、「とても、便利です」と書かれている方もいらっしゃいました。
前者の方は良いとして、後者の方が、地雷があると認識したうえで、それを避けつつ使用すれば、便利と言っているのか、はたまた、単に、著者が信頼できるので、便利ですと言っているだけなのかはわかりません。
監修者の欄を見ると英語ネイティブがいるようなのですが
さすがに、おかしいぞと思って、監修者の欄を見てみたところ、英語ネイティブと思われる方が複数名、名を連ねていました。
英語を勉強中の身ですら、危ないと気づくような表現がてんこ盛りになっている書籍ですが、本当に英語ネイティブが監修しているのでしょうか。
執筆の段階で、何をどのように書くべきかをちゃんと話し合っていれば、さすがにここまで地雷が埋め込まれた書籍にはならなかったのではないかと思います。
(ちなみにスペルミスもありました。Wordの校正機能で波線が出ていなかったのでしょうか。)
ちゃんとした書籍だぞと見せたいがために、名前だけ借りたのでしょうか、それとも、英語ネイティブ達にとっては、そこまで関心がない書籍だったので、形式的なチェックだけになってしまったのでしょうか。
(文法的に誤りがないかと言う観点のみで、実際に使えるかは考えないなど。)
ただ、出版すればいいということでもないように思います
私のこのBLOGもそうですが、ネット上に無料で公開されている情報は、個々人が好き勝手に書いているものですので、もちろんプロとして変な情報は書かないようにはしていますが、多少間違っている表現になってしまっていてもいいや、くらいの感覚で書いています。
きっと、情報を得られる方もそれくらいの感覚で見ているのではないかと思っています。
だからこそ余計に、書籍って、とても信頼できるものだと思っていました。
執筆に当たっては何回も推敲を重ねます。
書いてあることに、どのような反応が来るだろうか、読者にとって有用なことは書けているだろうか、言葉遣いは正しいだろうか、情報リソースは漏れなく記載しただろうか、そのリソースは信頼できるものだろうかといったことを気にしつつ、何回も、何回も、時間をかけて行います。
そういった苦しみを経て、出版されているので、みな、書籍に書いてあることを信頼して、その書籍を購入して、実生活に活用をしているのだと思います。
一つでもミスや誤記があってはならないということまでは、もちろん求めていないのですが(過去、執筆した書籍で間違いの指摘を読者から受けたことがあります)、さすがに、ここまでひどいと、単に書籍を出せばいいってもんじゃないと思いますよと言いたくなってしまいました。
表現がよろしくないといった指摘が入るなどして、もしかしたら、この書籍が改訂されているかもしれないと思い、ネットで調べてみたところ、特に改訂版がだされているといった情報はありませんでした。
(案外、ここまでひどいと、みんなが忘れてくれるまで、そっとしておくがベストな対応なのかもしれないですね。)
皆さん、書籍の購入にあたっては、お気をつけください。
誰が、どの組織が、書いているかではなく、その内容で本を選んでくださいね。
日々精進。