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【独立開業】デスク・ボミング(Desk-bombing)

お仕事のはなし

メールか?直接話すか?

2022年10月30日(日)の日本経済新聞の朝刊に「『デスク爆弾』は職場に必要だ」という記事がありました。
(「デスク爆撃」の方が個人的には訳がしっくりくるのですが、記事が「爆弾」としていたので、以下「デスク爆弾」と書きます。)

職場で同僚などが立ち寄って質問などを投げかけてくることがあるかと思いますが、それを「爆弾で攻撃する」ような行為、つまり、それを迷惑行為としてとらえる人が増えてきた、といったことが書かれていました。

この記事のライターの方は、「爆弾攻撃屋」とのことで、対面で話せるのに電子メールをいじることは非生産的と書かれていました。

どっちの視点に立つかの違いなだけのように思います。

私はどっちも良し悪しで、どっちでもいいというスタンスです。

相手に合わせるようにしています。

攻撃をする側で考えると、自分のタイミングで同僚などのデスクに出向いて話した方が手っ取り早いというのは当然そうだと思います。

直接話した方が楽しいということにも同意です。

ただ、攻撃をされる側で考えると、作業をいったん止めて、立ち寄った人の質問なりを、その人のタイミングで、しかも、即答で答える必要があり結構大変です。

回答が独り歩きすることもあるので、一応調べておきたいという場面であっても、「調べてもうらうほどじゃない」みたいになってしまい、「デスク爆弾」の処置には結構なテクニックが求められます。

ハイブリット型

なので、基本的には私は「デスク爆弾」はしないようにしていました。
(ハイブリット型です。)

スタッフなどに業務を依頼する際は、まず、メールで、背景事情、タスク、期限、留意点などを連絡します。
(各内容の粒度は、そのスタッフの熟練度などに応じて変えます。)

そのあと、デスクに立ち寄って、メールを送った旨とその内容を簡単に口頭で伝えます。

この方法によれば、スタッフの方はいちいちメモを取る必要はないですし、メールでタスクをふってくるだけの冷たい人といった印象を持たれることを回避できるかなと思っており、そうしていました。

ちなみに、上司への承認依頼は、基本的にはメールを送りっぱなしです。

返事がいつまでたっても来ない場合は、催促のメールを送るか、直接デスクに出向いていました。

上司部下に関係なく、基本的には「デスク爆弾」は避けつつ、必要に応じて、「デスク爆弾」を投下するという進め方が個人的には一番しっくりきています。

職場によって色がありました。

一番初めの職場は税務署だったのですが、「デスク爆弾」だらけでした。

先輩や上司からの問いかけや依頼、納税者からの質問対応(電話・面接)が日常的にありました。
(現在は、納税者からの質問の電話は相談センターが対応しているので、状況は変わったのではないかと思います。)

日中は自分の作業はまったく進まないので、朝早くに税務署に来て、静かなうちに自分の仕事は終わらせておき、日中は、「デスク爆弾」対応をするというのが、当時の働き方です。

年末年始など、世の中が落ち着いている時には、税務署が静まり返るのですが、「デスク爆弾」がないので、こうも作業が進むものかと驚いたのを覚えています。

次の職場は監査法人だったのですが、「デスク爆弾」はありませんでした。
(事務所で作業をしていると、たまに「デスク爆弾」を受けましたが、フリーアドレス制なので、フロアを変えるなど、いかようにも対処可能でした。)

監査チームは監査先の会議室にいるので、他の監査チームメンバーとのやりとりは基本的にメールで行うため、「デスク爆弾」の仕掛けようがないということなのではないかと思っています。
(電話好きな方もいらっしゃいましたが。)

これはけっこう快適でした。
(スタッフとしてです。)

指示事項がメールで残るので、読み返しができますし、聞き漏れなども生じませんので。

ただ、この視点は指示を受ける側の視点でして、マネージャーやパートナーなどの報告などを受ける側になると、膨大な量のメールを受けるので、一つ一つのメールを丁寧に読むことができなくなってしまい、大切なメールが埋没してしまうこともあるようです。

こういった場合には、メールでリマインドをするのですが、

「直接デスクにお伺いして説明できれば、そういったこともないのになぁ」

と思ったのを覚えています。

クライアントからの連絡もメールが多かったように思います。

会計処理に関する質問などは関連証憑も共有する必要があるのと、会計士に質問をして回答を得たという記録を残す必要があるためのようです。

最後の職場は法律事務所でしたが、パートナーの先生によってまちまちでしたので、プロジェクトを通じてであったり、若手のアソシエイトに聞いてみたりしつつ、どういったやり方なのかを探りつつ業務の対応をしていました。

クライアントも、まちまちで、メールの方もいらっしゃれば、電話の方もいらっしゃいました。

移行期がしんどい

繰り返しになりますが、個人的にはどっちも良し悪しなのではないかと思っています。

住まいを賃貸で貫くべきか、購入した方がいいのかの議論と同じで、それぞれの状況によって結論が異なると思っているためです。

税務のご質問にお応えする際は、基本的にはメールでご回答を差し上げているのですが、メールで淡々と回答を書くと、少し冷たい感じになってしまうことがある(特に、質問者の想定に反する回答をする場合)ので、そのような場合は、メールを送る前に電話をして回答の内容をお伝えしたりしています。

あとは、文章では適切に表現しきれない取り扱いもあったりしますので、その場合は電話で補足説明をするようにしています。

そういった意図があって、電話しているのですが、(電話なので表情が読めませんが)「なんでこんな内容で電話なんですか、、」みたいな雰囲気が感じ取れることがあります。

あと、電話の方が良いクライアントの対応を、直前にしていると、ついつい電話をしてしまうといったこともあります。

このように、クライアントによって、使い分けが求められるので、移行期の今が、結構しんどいなと思っています。

結局はみんな自分勝手

これまではハイブリット型だったのですが、コロナ禍が数年続いて、かつ、一人で黙々と仕事をしていることが多くなってきたので、最近、電話派になりつつあります。

件の記事に「直接話をする方が効率的だし、たいてい楽しい」とあったのですが、まさに、

「話すのって楽しいな」

と、以前に増して感じるようになったためです。

「ずいぶん、自分勝手だな」

と我ながら思うのですが、結局はみんな自分勝手というのが、世の常なようにも思っており、

「まぁ、しょうがないかな」

なんて思ったりもしています。

話は変わりますが、随分前に、タモリ氏が「笑っていいとも」のテレフォンショッキングで、電話(携帯電話?)が嫌いであるといったことをおっしゃっていたのを憶えています。

その理由は、電話をかける行為は、相手に今、話させろと言っていることと同じだから(ニュアンスは大きく外していなさそうですが、正確性には欠けています。悪しからず。)といったことだったように記憶しています。

現状の攻勢図は、年長者が、電話派で多数で、青年以下の若手層が、メール派で多数という風に思っておりまして、当時すでに、前者であった、タモリ氏が後者の感覚を持ち合わせていらっしゃったことに、「すごいなぁ~」と思った次第です。
(なぜか締めくくりがタモリ。)

日々精進。


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