日経新聞の記事
2022年6月8日付けの日経新聞朝刊の藤田文武氏の交遊抄に、
「武器を拾いながら走る」
という表現が紹介されていました。
何かにチャレンジするときは、まずは準備して、準備が万端になったら始めようとなりがちですが、すべてが整うのを待つのではなく、チャンスが来たらまず挑み、闘いながら武器を拾う(既存のものを修正したり、磨いたり、新たなスキルを身に着けていくという意味と私は理解しました。)ということのようです。
会計士・税理士として「武器を拾いながら走る」
非常に共感できます。
現在、会計士・税理士として働いていますが、税金や会計に関するすべての制度を理解し、実務的に対応できるようになることは、もはや不可能だと思っています。
制度が複雑かつ広範すぎて、とても人間の能力で対応しきれるものではないためです。
なので、準備万端(どのような論点についても、準備なしに実務的な面も含めて、その場で回答できるようにしておくこと)は、目指していません。
ご相談を受けるなど、必要になった場面で、関連する書籍などを読み漁って情報を得て理解し(武器を拾いながら)、ご依頼にお応えする(走る)、ということをしています。
「○〇の制度のご経験はありますか?」というご質問
先日、とある経理部長様とお話をしている中で、試験研究費の制度などについての話になりました。
もちろんプロとしてある程度の制度概要は把握していますが、準備なしに実務的な面も含めて、その場で回答できたかというと、やはり難しいなと感じました。
組織再編や国際税務といった風に、特定のジャンルに特化しているような税理士さんであれば、たくさんのご経験をお持ちだと思いますので、
「この制度のアドバイスのご経験はありますか?」
という質問に対して、
「もちろん!!」
と回答できるように思いますし、準備なしでも実務的な面も含めて、その場で回答できるのかもしれません。
私の場合は特化している項目はないので、いずれの制度についても、
「素人以上、専門家の平均もしくは少し上、特化型の方未満」
「満遍なくアドバイスの経験はあるが、めちゃくちゃたくさんではない」
という状況です。
「制度については、書籍などに書かれているので調べればわかる。」
「実務的に不明確な点についても、これまでの経験や他の制度の知識などを活かして、オプションや方向性を示すことはできる。」
と考えています。
ご依頼を頂く際に、
「○〇の制度のご経験はありますか?」
というご質問を受けることが割とあるので、少し書いてみました。
強みは知識経験の量ではなく、バランスのとれたアドバイスです
「素人以上、専門家の平均もしくは少し上、特化型の方未満」
「満遍なくアドバイスの経験はあるが、めちゃくちゃたくさんではない」
というと、何の強みもないみたいに感じられるかもしれませんので念のため。
私の強みは、
「様々な立場からの豊富な経験に基づく、バランスのとれたアドバイス」
です。
日々精進。