月次決算支援
現在、とある会社の月次決算支援をしているのですが、丸二日かけて格闘してみて、ふと、気づいたことがあり、それについて少し書いてみようと思います。
Excelが9割
会計監査をしていると、Excelを使う頻度がとても高いです。
監査調書の9割くらいがExcelで作られているんじゃなかろうかと思っています。
会社が作成している会計データをそのまま転用して、監査手続きの検証結果を追記していくことで監査調書を作るからだと思うのですが、会計監査をしていると必然的にExcelに詳しくなります。
とりあえずはいったんは指示通りにやってみる
新規で監査チームにアサインされると、過去の担当者たちで秘伝のたれのごとく受け継がれてきた監査調書を受け継ぐこととなるのですが、この監査調書が壮大なExcelになっていることがあります。
こういった壮大な監査調書が一つだとじっくりと向き合うことができるのですが、通常は複数の勘定科目の割り当てを受けるため、一つの監査調書にじっくりと向き合う時間はなく、とりあえず手を付けることから始めることとなります。
具体的にどうやるかというと、さーっと監査調書の全体を見てみて、その後は、とりあえず、監査調書にある指示通りにやってみるということをやります。
やっている最中は、なんとなくは何をしているのかはわかるけれども、今使っているデータがどのような目的で作られたもので、それをどのような観点から転用しているのかといったことは、あまり明確にはわかりません。
それでもとりあえず一回通してみます。
チェックは何をしているか理解してから
分からないなりに一度通すと、それっぽいものが出来上がります。
当然、ここで満足してはいけません。
次は何をするかというと、通してやってみたことで、だいたいの勘所はつかめているので、あらためて、今何をやっているのかをゆっくりと考えてみます。
そうすると、会計数値のどの数値をどのようにして算定しようとしているのかが、より明確にわかるようになるので、その明確になった状態でもう一回指示通りにやってみる(指示通りに作業できているかチェックしてみる)ということをやっています。
そうすると、一回目でなんだかわからないけど、とりあえず指示通りにしておいた箇所について、理解が出来たりします。
もう一回、回す。今度は直接数値を算定しに行ってみる
この状態で監査調書の作成を完了扱いにすると、主任からレビューメモをいっぱい食らうこととなってしまいます。
なので、もうひと踏ん張りする必要があります。
何をやる必要があるかと言うと、あるべき数値を、メモ用紙と電卓、もしくは原始データを用いて、直接算定してみるということをやっていました。
この段階では、何をやっているかがほぼ理解できているので、あるべき数値をどこから持ってくればいいのかがわかります。
そして、直接求めた数値が、Excelシートの数値と一致していなかった場合は、何かが間違っているということですので、誤りがないかの検証をすることができます。
月次決算支援も同じだと気付いた
監査調書の秘伝のたれの対処法を書いてきましたが、これを監査法人在籍時に辛抱強くやっていてよかったと思いました。
なぜかというと、月次決算支援でも同じ方法で対応できるためです。
月次決算支援などをやっていて面白いなと思うのが、やっていることはみな同じなのに、会社によって、データの作りがバラエティに富んでいるということです。
なので、初めて支援する際に、何が求められるかと言うと、そのバラエティに富んだデータたちを理解して、あるべき数値を算定するということが求められる訳です。
それをどうやってやるかというと、先の秘伝のたれのような監査調書の対処と同じ流れで、とりあえず一回通し、通しの二回目を行い、最後は直接算定してみて検証をすることで、対応できました。
決算書の作成や税務申告書の作成でも同じようなことをやって検証をしていたのですが、月次決算支援でも同じなんだなと、ふと思い、少し書いてみました。
日々精進。