コラム

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税務大学校の試験について思うこと

税務調査のはなし

税務大学校での研修

国税職員の育成のための施設として税務大学校があり、国税職員として国税局に採用されると、簿記や税法を税務大学校で勉強することとなる(普通科研修)。
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenshu/futsuu.htm

国家三種(主に高卒で採用される公務員)で採用された後、5年間(私が在籍していた頃は7年)勤務すると、本科研修の選抜試験の受験資格が付与され、選抜試験を突破すると約1年間かけて税務大学校でより専門的な税法等の勉強をすることができる。
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenshu/honka.htm

普通科研修については、受講生が税法の知識がほぼない状態であり、税法に慣れさせるという意味もあると思うので、試験で講本の内容や講義で説明を受けた内容をそのまま書きおこすことを求める問題を出題し、それができた受講生に高い評価を与えることに異論はないのだが、本科でこのような問題を出題して高い評価を与えることに対して意見をしたことがある。

税法の判断

税法の判断をするときは、その条文が定められた経緯等を、税制改正の解説やコンメンタールにより把握し、その把握した情報に基づいて個別事案の判断をすべきだと思うものの、実際のところは、時間的な制約もあることから、市販の質疑応答集や国税庁のタックスアンサーなどで同様の問いとその回答がないか調べる(書籍などによる答え探し)ことに終始しがちである。

一般的な質問であればこれで問題はないと思うのだが、これまで存在しなかった新しい取引についての税法の判断を行う場合には、答え探しにいくら時間を費やしても答えが見つかるわけがない。新しい取引についての判断を行うこととなる国税職員が、答え探しのスキルしか持ち合わせていないということは問題ではないと思っている。

そのような状況にならないためにも本科研修では、模範解答をそのまま書かせ、それができた職員を高く評価するのではなく、現在係争中の案件や実務者目線と学者目線で判断が分かれるような税務の論点を出題して、自分がなぜそう考えるのかを書かせてみることが必要なのではないか。
そして、しっかりとした自分の判断を示すことができた国税職員には、高い評価を与え、より成長させていくことが大切なのではないだろうか。

自らで判断するスキルを持っている職員は人数的に限られ、現場にいたとしてもすぐに引き抜かれて現場からいなくなってしまうため、職員全体の底上げをすることで自分で考えることができる職員をもっと増やしてほしいと思うし、そうしていかないと、どんどん複雑になっていく税法に対応しきれないのではないかと思う。

税務調査

以前、調査担当者が新しい制度について、制度趣旨などを考えもせずに思い込みで指摘をしてきたことがあった。その時は、ちゃんと税制改正の解説やコンメンタールを読んで趣旨を理解したうえで、ちゃんとした根拠に基づいて指摘をしてくれと伝えた。

それでも自ら調べることもせずに同じ指摘を続けたので、ちゃんと審理担当者に質問して制度を理解し、それでも課税すべきだということであれば、理由を示したうえで指摘してくれと応じたが、その職員は最後まで趣旨等を調べることをせず、自分で考えもせずのままだった(ちなみに本件指摘については、今回は問題ないこととするとのこと。理由は不明。)。

その方が若手職員であれば今後に期待することもできたが、現場を支えている上席国税調査官だったのが本当に残念で、国税の現場を担っているのだから、しっかりして欲しいと思う。

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