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欠損填補の会計上の留意点があるそうです

会計のはなし

租税研究2022年12月号の「増資・減資の税務・会計」

租税研究2022年12月号に、「増資・減資の税務・会計」という題名の講演録(EYの太田達也先生が講師)が登載されています。

増資や減資って、ストラクチャーものの対応をしていると、しょっちゅう出くわします。

税務会計上の誤りポイントってあまりないと思っていたのですが、

「へぇ、そんな事例があるんですね。」

という発見がありましたので、それについて少し書いてみようと思います。
(詳細な講演録の内容は、租税研究2022年12月号をご覧になってください。)

「監査法人がチェックしておきながら、なぜそういうミスが出るのか」と言われてしまっていました。

欠損填補とは、赤字がずっと続いているような法人で、貸借対照表の右下部分(純資産の部)にある、利益剰余金(設立~直近の決算までの利益や赤字の累積値)がマイナス残高となっている場合に、その他資本剰余金(過去に株主から払い込みを受けた金額の一部)で穴埋めすることをいいます。

ざっくりいうと、「欠損」が赤字を意味し、「填補」が穴埋めを意味します。

上場を目指している会社がVCなどから出資を受けている場合で、この会社がまだ黒字化していない段階にある場合に、この欠損填補をよく見ます。

会計監査の手続において欠損填補の会計処理の検討をすることがあるのですが、私のイメージでは、新人の会計士に担当を任せるような取引です。

欠損填補って、会計処理誤りや不正会計が想定されないですし、取締役会議事録や株主総会議事録などをチェックするので、実務面の勉強になるためです。

それが理由なのか、非常に基本的な誤りがあるそうです。

その誤りの内容は、繰越利益剰余金のマイナス残高が0円になるように欠損填補をしたところ、その会社には利益準備金が積み立てられていたため、欠損填補決議が無効になってしまったという事例でした。
(「繰越利益剰余金」だけではなく「利益準備金」の残高も考慮して欠損填補する金額を決める必要があったということです。)

「利益剰余金」って何?と思わないものなのでしょうか?

会計士試験で、嫌というほど連結会計を勉強するのですが、連結会計の資本の相殺消去仕訳で「利益剰余金」という勘定科目が出てくるので、

「『利益剰余金』ってなんだよ。。」

って疑問に思って、調べたことがあります。
(あと、「資本剰余金」も、初めは意味がわかりませんでした。)

そうすると、会計士試験をパスした会計士達は当然に「利益剰余金」の意味を知っていると思われ、「利益準備金」が「利益剰余金」に含まれることくらいわかるはずですし、気づくんじゃなかろうか、と思うのですが、指摘出来なかったのはなぜなんでしょうか。
(「どうせ間違いなんて起きないし~」と、やっつけで調書化していたのかもしれません。)

利益準備金って配当していると計上されています

「そもそも、利益処分案がないのに、利益準備金が計上されることってあったっけ?」

なんて、初歩的な疑問を持ってしまい、少し調べてみたところ、配当すると、資本金の額などに応じた一定額まで利益準備金の積み立てが強制されることを忘れていました。

「税務会計上の論点なんてないですよ~。」

と思っている取引に論点が潜んでいたりするので、怖いですね。

日々精進。

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