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所得税法の少額減価償却資産の特例

所得税のはなし

少額減価償却資産の特例

だいぶ前となるのですが、昔の上司から、

「村上さん。所得税の事業所得にも、少額減価償却資産の制度ってあると思うけど、これを受けるための手続きってわかりますか?」

と聞かれたことがありました。

法人税だと、

「損金経理して別表付けてくださいね。」

と言えるのですが、所得税も同じなのかと思いきや、少し違いましたので、調べたことを書いてみようと思います。

30万円未満の減価償却資産は一括で費用処理可能

調べる必要があると認識したきっかけは先のとおりですが、私も個人事務所の稼働に際して、ノートPCを購入していたので、他人事じゃないぞ、ということで割と真剣に調べてみました。

余談ですが、パナソニックの売り子のお兄さん曰く、この制度に合わせて、レッツノートの売値をぎりぎり30万円を下回る金額に設定されているとのことでした。
(有楽町のビックカメラに専用デスクがあり、ビジネス用であることや、必要なスペックを話し合いながら購入することができます。PCはちゃんとしたものを買おうと決めていました。)

まずは、制度の概要ですが、端的にいうと、事業のために使う備品などで、30万円未満のものについては一括で費用処理して良いですよ(減価償却しなくていいですよ)という制度となります。

正確な説明は下記の国税庁のHPをご参照ください。

No.2100 減価償却のあらまし|国税庁 (nta.go.jp)

明細書の添付が必要だけれども、明細が見つからない

さて、こういった特例ものの適用を受ける場合は、基本的には申告書に何らかの書面を添付する必要があります。

この制度の根拠法令は租税特別措置法28条の2でして、下記がその条文となります(余計な箇所は削除し、抜粋しています。)。

(中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例)
第二十八条の二 中小事業者が、平成十八年四月一日から令和六年三月三十一日までの間に取得し、又は製作し、若しくは建設し、かつ、当該中小事業者の不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の用に供した減価償却資産で、その取得価額が三十万円未満であるものについては、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該少額減価償却資産の取得価額に相当する金額を、当該中小事業者のその業務の用に供した年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。この場合において、当該中小事業者のその業務の用に供した年分における少額減価償却資産の取得価額の合計額が三百万円を超えるときは、その取得価額の合計額のうち三百万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額を限度とする。

2 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

3 第一項の規定は、確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。

3項で「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書の添付がある場合に限り」とされており、やはり、明細書の添付が求められていました。

どんな明細なんだろうと思い、国税庁HPで書式を探してみたのですが、書式が見当たりませんでした。

申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)|国税庁 (nta.go.jp)

おかしいなと思い、明細書について調べてみたところ、下記の取り扱いを見つけました。

「中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の 特例制度」を適用する場合の明細書の添付について |国税庁 (nta.go.jp)

記載例もありました。

01.pdf (nta.go.jp)

個人的には新たな発見だったのですが

明細書の添付を求めておきながら、書式が公表されていないという、法人税関連ではなかなかお目にかかれない取り扱いを知ることが出来て、

「やっぱり、所得税は違うなぁ~。。」

なんて思いつつ、少し自己満足していたのですが、ネットで調べてみたところ、この取り扱いを説明されている税理士さんがたくさんいらっしゃいました。
(所得税の確定申告をやっていれば普通に知っているべきことのようです。)

税理士さんの説明をいくつか読んでみたのですが、、上記の明細の添付に代えた取り扱いの根拠(措置法通達)をちゃんと示されており、しかも、e-tax(電子申告)で記載しようとすると、記載例のとおりに記載できない問題についても解説されている方がいらっしゃいました。

良く調べておられ、純粋にすごいなぁ~と思いました。

この方の情報を拝見してしまったがゆえに、この取り扱いについて調べてみたい熱が一気に冷めてしまい、ここでリサーチをストップしました(ゆえに、措置法通達は引いていません。)。

一応は時間をかけて条文を引いたりはしたので、自分で調べた範囲について、書いてみました。

やっぱり、所得税って独特ですね。

日々精進。

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