のれん
のれんの非償却の議論が盛り上がりを見せているようです。
Twitterにある情報しか見ていない(報告書の類も一切読んでいない)のですが、過去に何度も議論されて、現在の取扱いになっているのだと思っていたので、
おぉ、またですか、
といった気持ちで傍観しています。
監査法人在籍時に、この「のれん」に苦しめられましたが、事業をされている方と議論をすると、結構もめる(数年間利益が出なくなるのは、おかしくないか?と言われる)ように思っています。
「のれん」っていったい何なんだろうね?
ということが根底にあるように思うのですが、PPAで識別できるものは別のものとして資産計上して、その残りのよくわからないもの、or、会計上の資産とはいえないもののいずれかなのだと考えるようにしています。
(よくわからないものについて議論しても、よくわからないものなので、決めの問題にしかならないように思う訳です。それをさも非償却が正解だ、みたいな主張をみると、よくわからないものに正解も不正解もないでしょと思ってしまいます。)
たいして詳しくないけれども
過去の議論も現在の考え方もプラクティスも、海外での議論の内容にも、全く詳しくないのですが、現在の処理(定期的に費用処理)がしっくりきていました。
償却年数を、考えることなしに5年とすることはだめだと思いますが、償却しないと、シナジーが生じていなくても、買収するだけで営業利益が増えちゃいますし、実際に外にお金が出てしまっている以上は、何らかの形で費用になることはしょうがないんじゃなかろうかと思う訳です。
非償却の議論を見ていると、減損?評価損?があるので、ずっと資産計上が認められるわけではないのですよ?その対応もそれなりの工数ですよ?ということを感じます。
非償却を提言されている方は、それを理解されたうえで主張をされているのだと思うのですが、話題になって、関与者が増えてくると、一定数勘違いしている人がいそうだなぁと感じるというわけです。
包括利益はないんじゃないかい
いろいろと案があるようですが、その一つに包括利益で処理するというものがあるようです。
これって、どういう理屈付けなんでしょうかね。
いつ、リサイクリングされるのでしょうか。
とりあえず、PLヒットさせなければそれでOKということであれば、さすがにそれはいかんでしょうにと思う訳です。
(会計はおもちゃじゃねーぞ。)
初めての経験かもしれない
ASBJで審議?議論?されるフェーズに入ったようなのですが、さてはて、結論が楽しみです。
非償却となって、膨らんだBSを見るのは、ちょっと嫌だなぁ~と思っている、今日この頃です。
似たような論点で、ソフトウェアの資産計上がありまして、以前、BSが異常に膨らんでしまった会社を見たことがありますが、明らかにいびつでしたからね。
日々精進。
【お仕事のはなし】「税務調査を今一度ちゃんと考えてみる本」(税務経理協会様)